極上の焼き芋の焼き方(61)

80度の加熱

焼き芋が甘くなる反応が起こる温度は、70から80度と80から90度の2つの説が主流です。筆者は、90から100度の可能性もあると考えていますが、それを主張した文献は見かけません。

過去にこれに関係した実験は次の2件をおこなっています。

  • ジップロックにサツマイモを入れて、電気鍋に水を張って保温モード(80度)にいれて、3時間程度置いたが、糖化しなかった。推定温度は、70から80度です。

  • パン焼き機のコンポートモードで、サツマイモのコンポートを作ったが糖化しなかった。推定温度は80から85度です。

今回は、別件で80度を使ってオーブンでコンフィを作ることになったので、ついでに、サツマイモをアルミホイルで巻いて、3時間入れてみました。アルミホイルは水分を保持するためのものです。

写真1のように3時間たっても、サツマイモは硬いままでした。3時間後のサツマイモの表面の温度は、72度と77度でした。推定温度は70から79度と考えています。実は、低温ほど温度のばらつきがおおきくなります。

糊化については、文献によりますが、以下のような数字になっています。

糊化 65.8から80度

糊化 76度から81度

糊化 50度から80度

糊化 72度から開始

形状が完全に残っていますので、ペクチンが壊れていないと思われます。

いったん、高温にして、ペクチンを壊せば、定温でも反応するかもしれませんが、最初から低温で、70から80度で糖化の反応が起こることはなさそうです。

 

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写真1 80度180分の加熱後のサツマイモ(上:紅優甘、下:紅天使)