最近の東京都のデータ~コロナウィルスのデータサイエンス(その30)

最近の東京都のデータ

 

4月18日までの東京都のデータを見ておきます。

図1は感染者数と経路不明者数です。

経路不明者数の比率が一番高かったののは4月10日と11日でその後の比率はあがっていません。

 

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図1

 

 

図2は東京都の感染者数と経路不明感染者数の毎日の発生者数の時系列です。

増加はしていますが、増加率が増えているとはおもわれません。

なお、検討すべきは、毎日の感染者数の時系列か、治療中の感染者数(=総感染者数ー完治者数ー死亡者数)です。

マスコミは総感染者数を掲示しますが、これは、危機をあおって、視聴率を稼ぐ以外には意味はありません。

 

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図2

 

図3は図2を10の対数で書いたグラフです。増加率に大きな変化はありません。

 

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図3

 

 

図4は、図2を2の対数で書いたグラフです。2倍になるまでの期間を読み取るのに便利です。

4月13日ころいったん下がりますが、そのあとは、元に戻ったか、再び増加したか判断は難しいところです。

 

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図4

 

 

 

 

 

図5は2週間前のグラフです。2週間前の増加率のトレンドでは、4月19日には、1000人程度の患者が出る予測になっていました。現在の200人前後という感染者数は、ベストシナリオ以上に恵まれた状況と思われます。

前にも述べましたが、2週間前の予測では、花見による人出が感染を拡大させて可能性もあります。

Googleのレポートの最新版は4月11日までです。4月18日の14日前は、4月4日なので、その頃の人の移動は確認できます。値がいったん下がった4月7日の2週間前は、3月24日になります。ですから、3月24日と4月4日を比べてヒントが見えるかがポイントになります。

項目では、該当しそうな事項はGrocery & pharmacyとParksになります。ただし、これが、増加の要因になるとはおもわれません。個別の事例をみると、今までオープンになっていかったデータがオープンになってきた効果が大きいと考えます。言い換えると、PCR検査の少なさによるデータのばらつきと思われます。

 

それから、緊急事態宣言が出されたのは4月7日ですので、それから11日までに減少がみられるかがポイントになります。4月に入って値は減少傾向の項目が多いですが、4月7日以降におおきくトレンドが変わった項目はありません。7~11日の5日分のデータをみると、緊急事態宣言が不連続なほどの効果を発揮してはいません。

 

 

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図5

 

 

まとめ

感染者数の増加は、当初のトレンドで予想された傾向よりは、ずっとすくないです。

これは、良いニュースでしょう。

ただし、この予想以下の増加でも医療機関がパンクしつつあります。

また、東京都のGoogleレポートを見ると、緊急事態宣言は、目に見える効果を発揮していません。

これは、悪いニュースです。

 

Googleのレポートの最新版は4月11日までです。

 

Googleのレポート

https://www.google.com/covid19/mobility

 追記

NHKNTTデータの18日午後3時のデータでは、駅の人出は、緊急事態宣言の前の半分くらい、前日の3割減になっています。

2日前は、それほど減っていなかったので、減って入れば、良いニュースですが、週末効果かもしれません。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/