4月第2週の東京都の感染者数のまとめ
4月の第2週も終わるので、今週の4月10日までの感染者データをまとめておきます。
Google Transitデータも更新しました。
Googleの予測データも、4月8日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。
東京都の検査データは4月8日に更新されています。
2021年4月8日 の(7日間移動平均値をもとに算出した)検査の陽性率は、4.8(4.2,3.7, 3.7, 3.5, 3.3) %で、検査人数は7086,7(6588.0,6688.9, 6035.3, 6760.7, 6417.9) 人です。()は、4月1日、3月23日、3月19日、3月16日と3月9日の速報値です。検査データが、更新されると、データは日付をさかのぼって修正されますので、速報値の陽性率は、暫定値です。
陽性率が、上がっています。
図1が、4月8日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。
行動制限率は、7日移動平均では、ー27%くらいまで戻っています。この値は、非常事態宣言の前に等しいので、行動制限はほぼ、なくなったと言えます。
ここ1週間は、感染者数と経路不明感染者は増加しています。図1のGoogle予測は、トレンドが変化したと見て、これからの4週間で、感染者数は、1600人近くまで増えるという予測です。これは、先週よりは低めになっています。
図2に、11月1日からの東京都の経路不明率と陽性率を示します。経路不明率は一定で、陽性率は、増加しているように見えます。最近の経路不明率の急増が注目されます。経路不明率だけで見ると、年末に近い水準にあります。
図3に、感染者数の1週間前の同じ曜日との差を示しています。東京都が前週との比を使うようになったので、前週との減少比率(1week_ratio)もプロットしてあります。感染者数は増加です。行動制限率は効かなくなって一定です。
図4に、東京都の前週の同じ曜日との感染者数の差(横軸)と陽性率の差(縦軸)を示します。これから、感染率が増加していることがわかります。3月11日以降は、陽性率は、増加モードのエリア内での変動です。
まとめ
以上のように、ここ1週間は、感染者数は増加が続いています。行動制限率は効いていません。
注意すべきは、陽性率と経路不明率が増加している点です。今のデータからは、感染者数が減少すると考える要素はありません。
「まん延防止等重点措置」は、メッセージとしては、弱い「緊急事態宣言」にしかなりません。東京都はさらに4月1日に、4月21日まで「段階的緩和期間(リバウンド防止期間)」を設けています。
第2回目の「緊急事態宣言」は、1月8日に出ています。図1では、Google Transitデータは14日間ずらして表示しています。7日移動平均の感染者数のピークは1月11日です。この後、感染者数が減りますが、これは、「緊急事態宣言」の効果ではありません。年末年始で人の移動が減った効果です。1月8日から14日後は、1月22日になります。「緊急事態宣言」の効果が出るのは、この辺りからです。行動制限率はー44%です。小さな変動を無視すれば、「緊急事態宣言」が出された直後の行動制限率が最小で、その後、値は増え続けています。
第1回目の「緊急事態宣言」は2020年4月7日でした。14日ずらせば、4月21日です。この時の行動制限率はー58%でした。その後、行動制限率は下がって、5月7日にー67%に達し、その後、増加に転じます。
これからわかることは、次の2つです。
第1回、第2回とも、感染者数の減少は、「緊急事態宣言」の前から起こっていた。
1回目と2回目を比べると、効果は14%(58-44)から、23%(67-44)落ちている。
平常値をー28%とすれば、第1回目では、30% から39%あった効果が、第2回目では、16%に押している。
つまり、ほぼ半減です。
4月1日の7日移動平均の行動制限率は、-26.1%で、4月6日のー27.7%より悪いです。
図1を見る限り、「段階的緩和期間(リバウンド防止期間)」の効果はほぼゼロです。
こうしてみると、宣言の出し方が、行動制限率を見ずに、感染者数だけを見ているとしか思えません。
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NHK特設サイト
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/
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都内の最新感染動向
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
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Google Mobile Report
https://www.google.com/covid19/mobility/