日本の宇宙開発の終わり？ - computer

2022/02/10のニューズウィークによると「マスク氏のスペースXはスターリンク向けに既に約1万2000基の衛星を打ち上げる許可を得ているが、第2世代のコンステレーション（衛星網）として約3万基の打ち上げを申請しているそうです」

NASAは、約3万基は多すぎるとして懸念を示しているそうです。

Outer Space Objects Indexによる2021年末の衛星数は、12000個です。

スプートニク1号の打ち上げによってアメリカとソ連の宇宙開発競争がスタートし、その後は2010年代まで年間10ー60機のペースで人工衛星が打ち上げられてきました。近年は人工衛星打ち上げのペースが上昇しており、2020年には1300機以上、2021年には1400機以上の人工衛星が打ち上げられています。

近年急速な経済発展を遂げているルワンダは、2019年9月に、初の人工衛星「RWASAT-1」を東京大学の全面的な支援の下で開発し、打ち上げに成功しました。2021年10月には、「Cinnamon」という合計32万機もの人工衛星を含むメガコンステレーションの計画を発表しています。

2023年の日本のロケット打ち上げ計画（おそらく公費負担分）は、12台です。

日本語のウィキペディアの人工衛星のデータは、2013年から、更新されていません。

日本語のウィキペディアの世界の宇宙開発一覧のデータは、2020年5月で、次の数字になっています。

順位打上げ国個数

1 ソビエト連邦 / ロシア 3772

2 アメリカ合衆国 2759

3 中華人民共和国 535

4 日本 266

〇グローバルスター 84

〇インテルサット 81

〇 ESRO / ESA 71

5 フランス 109

6 ドイツ 99

〇 SES 55

〇ユーテルサット 49

7 イギリス 44

8 カナダ 42

9 イタリア 33

10 スペイン 20

合計は、8019個です。

2021年末の12000個とは大きな開きがあります。

この差を、どう見るかですが、開発の主体が、民間企業に、移行したということだと思われます。

今後２０年を見据えた１０年間の国の宇宙政策の基本方針「宇宙基本計画」が2020年に、５年ぶりに改訂されています。2020年5月の集計はそれに合わせたものと思われます。

「宇宙基本計画」に関する2020/08/12のニュースイッチの記事は以下のように伝えています。

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日本の宇宙関連の技術は世界でトップレベルを誇っている。だが世界の技術発展は早く、そのレベルを維持するには危機的な状況に追い込まれつつある。同計画では、日本が培ってきた宇宙技術の基盤を維持して強化する「自立」を改めて強調している。内閣府宇宙政策委員会の葛西敬之委員長（ＪＲ東海名誉会長）は、「宇宙活動を自立化する能力を強化・維持し、安全保障や経済成長、技術革新への貢献を目指す」と意気込みを語る。

東京大学の中須賀真一教授は「民間が積極的に参入でき、官民が協力できる体制を確立したい」と話す。

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その後の1年半の経緯をみれば、税金を投入して、政府主導で、宇宙開発をする時代は終わったということではないでしょうか。

国・地域・国際機関・多国籍企業別累計衛星打上げ個数（2020年5月）

スペースＸが衛星3万基打ち上げを計画　NASA｢有人宇宙飛行に影響｣懸念　2022/02/10 ニューズウィーク

https://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2022/02/3nasa.php

Outer Space Objects Index

https://www.unoosa.org/oosa/osoindex/index.jspx?lf_id=

日本の打ち上げ予定

https://www.sed.co.jp/tokusyu/rocket_jplan.html

人工衛星の数が増えすぎることで引き起こされるさまざまな問題とは　2021/12/11 Gigazine

https://gigazine.net/news/20211211-satellites-orbit-earth-increasing-problematic/