極上の焼き芋の焼き方(134)世界一甘い焼き芋マニュアル(第2版)草稿(2)

「世界一甘い焼き芋マニュアル」の改訂版「世界一甘い焼き芋マニュアル(第2版)」を、Novel Daysに掲載予定です。

https://novel.daysneo.com/works/6da7f9f0b4ae5903848729082754a3dd.html


草稿を掲載します。

 

2.2 焼き芋の焼き方の種類



WEBでみると、焼き芋屋にも、評価点数がついています。

 

この評価点数を参考に、焼き芋の購入をする人もいます。

 

サクラがつける評価点数もあることが問題になっていますが、とりあえず、サクラの問題は除いて、WEBの評価点数が、信頼できるか考えます。

 

WEBでは、レストランについて、中華料理とイタリアンのレストランにそれぞれ、点数がついていますが、その点数をもって、中華料理のAレストランが、イタリアンのBレストランより、美味しいと考えることは、馬鹿げています。

 

同じ中華料理や、イタリアンの中でも、ラーメン店や、パスタ店は、単価が安く、回転率もよくなります。

 

中華料理の中でも、ラーメン店とそれ以外のレストランを同列に評価することはできませんし、イタリアンのパスタ店についても、同様です。

 

このような視点で、焼き芋の焼き方を見ると、次の種類があります。種類によって、理想とする焼き方が異なります。つまり、種類の違う焼き芋を比較することは意味がありません。

 

  1. 石焼き芋
  2. 壺焼き芋
  3. 釜焼き芋
  4. 羊羹焼き芋
  5. その他




1)石焼き芋

 

焼いた石の上にサツマイモを並べて、焼く方法です。焼き芋什器の開発が進んだ結果、石焼き芋の調理法は、標準化が進んでいます。

 

加熱は、石からの伝導と放射でおこると思われます。

 

予熱後、200度60分が標準です。温度は230度のこともあります。調理時間は、40分から90分まで幅があります。

 

石焼き芋の調理の制約条件は、焦げすぎないことです。これで、加熱温度の上限と加熱時間の上限が決まります。

 

サツマイモは、サイズが小さいほど、中まで火が通りやすくなります。一般には、サイズがM(200-300g)のサツマイモが60分で調理できる最大のサイズです。

 

石焼き芋の加熱時間の下限は、サツマイモに火が通るまでの時間で、サツマイモのサイズで決まります。

 

なお、調理で、火が通るという表現は、普通は、食材が煮える意味で使われますが、焼き芋の場合には、食材が煮えるだけではなく、ペクチン軟化が起こることも必要です。ペクチン軟化には、食材が、ペクチン硬化を起こす低温を短時間で通り過ぎる必要があります。

 

石焼き芋の加熱時間の上限が決まっていますので、糖度は、あまり高くなりませんが、調理時間が短く、調理の効率がよくなります。

 

2)壺焼き芋

 

1m以上の高さがある大きな壺の中で火をおこし、壺の内側に、針金でつくったバスケットにサツマイモを入れてつるして焼きます。

 

加熱は、火と温まった壺からの放射、温風の対流で起こると思われます。

 

壺が大きいと予熱に2時間程度かかり、そのあと、サツマイモをセットして、1時間程度加熱するようです。壺の温度は、160から200度です。

 

サツマイモの温度は、火からの放射がある側が反対側より高くなりがちです。つまり、放置すると片側が焦げてしまい、反対側は生焼けになってしまいます。これを避けるために、時々、サツマイモを回転させます。

 

石焼き芋と比べると、加熱時間の上限の制約がないため、より長時間の加熱が可能です。このため、より甘い焼き芋をつくることができます。

 

問題点は、壺焼き芋什器は開発されていないので、手間がかかって、機械化できない点です。

 

なお、遠赤外で甘くなることはありません。遠赤外でも、近赤外でも、赤外線は、水分にあたるとそこで、熱に変換されます。その位置は、サツマイモの皮の近くです。つまり、サツマイモは、皮の近くが、放射、対流、伝導で温まったあと、そこから、サツマイモの中心に向かって、伝導で熱が伝わります。加熱の問題は、この伝導過程の制御です。

 

3) 釜焼き芋

 

専用の鍋で、焼き芋を焼く方法です。専用の鍋が、販売されています。石焼き芋と壺焼き芋に比べれば、ポピュラーではありません。筆者は、釜焼き芋の焼き芋を食べたことがないので、それ以上のコメントは避けたいと思います、

 

専用の鍋に、焼き石を入れて焼く場合もあり、その場合は、石焼き芋と分類できます。



4)羊羹焼き芋

 

 これは、筆者が提案している焼き芋です。羊羹焼き芋は、道具の種類を表す単語ではありません。羊羹焼き芋とは、最も高い糖度の焼き芋を理想として焼く、焼き芋の作り方を指します。

 今までの実験では、このアプローチで出来た焼き芋は、見た目が羊羹のようになり、食味は、キントンのようになりますので、羊羹焼き芋と呼んでいます。

 

5)その他

 

羊羹焼き芋以外の焼き芋の焼き方の区分は、道具の種類を表わしています。

 

その他は、123以外の調理器具を使う場合です。



家庭で普及している焼き芋向けの調理器には、次があります。

 

A.オーブントースター

B.オーブンレンジ(電機オーブ付き電子レンジ)

C.炊飯器

D.ガズグリル

 

家庭で、焼き芋をつくる場合には、ABCDの調理器で、1234のどれを目標に調理するかで、レシピが異なります。

 

Dのガスグリルは、温度調整ができませんので、レシピはありません。ほとんどのレシピは、Aで1を再現するか、Bで1を再現する方法になっています。

 

Cの炊飯器は、炊飯器にさつまいもの高さの半分くらいまで水を入れて炊飯モード、できれば、「玄米モード」で加熱します。水を少なめに炊飯モードで加熱すると、サツマイモは、蒸し芋になります。蒸し芋は、焼き芋ではありませんが、水分がなくなった後も加熱を続けると、焼き芋に近い食感になります。食感を更に焼き芋に近づけるために、仕上げに、オーブントースターで、5分程度加熱して、焦げ目を少しつけることを推奨している人もいます。つまり、炊飯器は、1の石焼き芋の再現を目指していると思われます。