銀杏の色の編集
モミジは、葉が赤くなっても、すぐに落ち葉にはなりません。
しかし、銀杏は、葉が、黄色になると落ち葉になって、落ちてしまいます。
もう一つの問題点は、銀杏は、複数の木が、同時に、黄色になりにくい点です。
まだ、葉の緑の銀杏の木の隣に、葉が、黄色の銀杏の木があって、葉が落ちています。
つまり、時間が経てば、周囲の銀杏の葉が、黄色になることはありません。
色の変わるのが一番遅い木の葉が、黄色になるころには、先に、葉が黄色になった銀杏の木の葉は、落ちてしまっています。
葉が落ちてしまっては、絵になりませんので、緑の葉が部分的にある状態で、写真をとって、修正することが基本です。
もちろん、数年に1度は、銀杏の葉の変色の時期がそろうこともありますので、その時は、ベストシーズンですが、通常は、何年も待てません。
銀杏の木が、写真の素材になる場合は、1本の木ではなく、並木になっている場合です。
並木の見栄えは、並木の長さと厚さによります。
写真1は、科学万博記念公園の銀杏並木です。長さは100m以上ありますが、景観を盛り上げている理由は、並木が3列になっていることです。つくば市内の銀杏並木で、3列以上は、ここ以外には、洞峰公園(4列)、工業技術院(6列)だけです。撮影ポイントの選定には、並木の列数が、重要です。
写真2は、写真1を、カラーバランスRGBで調整しています。
基本はクロマを使います。サチュレーションを強くすると、露光が減少します。
ここでは、ハイライトのサチュレーションを強くして、空の露光を落として、色を強くしています。
写真2の銀杏並木で、影になっているところの銀杏の葉は、緑色です。
編集では、できれば、この緑を黄色に置き換えたいです。
写真3は、カラーライズで、緑の部分をパラメトリックマスクで抽出しています。
写真4では、マスクの部分に黄色をいれています。
左が、元の画像で、右が、カラーライズを使っています。
若干、改善しています。
写真5では、カラーゾーンのピッカーで、緑の影の部分をひろっています。
黒の縦線が、ピックされた部分ですが、黄色のハンドは狭いです。つまり、赤、または、緑にするのは簡単ですが、黄色は容易ではありません。
写真6では、カラーゾーンのhueを赤にかからない範囲で変更しています。
左が、元の画像で、右が、カラーゾーンを使っています。
若干、改善しています。
写真7は、カラーバランスRGBにもどって、4waysタブで、色を調整しています。色調整は、カラーバランスRGBで可能であれば、ベストな方法です
左が、元の画像で、右が、カラーバランスRGBを使っています。
若干、改善していますが、緑は消えません。
写真8は、カラーコントラストで、調整しています。
カラーコントラストのスライダーを見ると、「グリーンとマゼンダ」と「ブルーとイエロー」になっています。
これは、Lab色空間を示しています。「グリーンとイエロー」の入れ替えは、Lab色空間では難しいのです。
左が、元の画像で、右が、カラーコントラストを使っています。
若干、改善しています。
写真9が、カラールックアップテーブルを使っています。
左が、元の画像で、右が、カラールックアップテーブルを使っています。
緑は消えています。
カラールックアップテーブルは、シーン参照ワークフローでは推奨ではありませんが、緑を強く消すには、これを使うしかなさそうです。
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