DXと将来の企業価値(1)東芝の企業分割と新聞報道

東芝の企業分割と新聞報道

東芝が、3つに企業分割をするそうです。

問題は、なぜ、企業分割をするのかという新聞報道です。

東芝は、企業分割をすることで、株価が上がるという説明をしています。

東芝の株価は、下がっていますから、この説明には、現状と整合性があります。

新聞は、別の記事で、GEとJ&Jも企業分割をするという記事を出しています。

東芝、GE、J&Jの記事の間に、時間順序と整合性がありません。

今までの東芝の経営を見ていると、後手後手になっていますので、突然、先手が打てるようになったとは思えません。

おそらく、GEとJ&Jが、企業分割を検討しているという情報が、東芝にも入ってきて、東芝が、真似をした可能性が高いと考えます。

GEとJ&Jは、東芝ほど、株価が下がっていませんので、株価対策で、企業分割を行う必要はありません。

しかし、新聞報道は、

東芝は、株価対策で、企業分割をする」とかき、別の記事で、「GEは、株価対策で、企業分割をする」、「J&Jは、株価対策で、企業分割をする」 と書きます。

これは、最初の東芝の記事に、後の記事が辻褄合わせをしているためです。

それでは、GEとJ&Jは、なぜ、企業分割をするのでしょうか。

それは、スケールメリットが効かないためと思われます。

GAFAのような企業が、でてくることは、企業のスケールメリットより、機動性の確保が重要なことを示しています。特に、異業種では、意思決定までのスピード、意思決定をするの根拠となるエビデンスが違います。早い意思決定が大事なことは、コロナウイルスのワクチン開発のような例を考えれば、わかります。

スケールメリットがなくなり、水平分業が可能になった原因は、DXです。

DXが進めば、企業の分野ごとのスピードの違いが際立ってしまい不都合になります。

また、意思決定スピードの問題は、参加型のリーダーシップを採用している場合には、重要になります。

つまり、GEとJ&Jが、企業分割する背景には、次があると思われます。(注1)

  • DXへの移行が完了している。

  • 参加型のリーダーシップを採用している。

  • 早急に、各部部門で、展開していきたい事業内容が明確になっている。

東芝の場合には、これらの条件は、現時点では、満たされていません。

分社化ではなく、事業部ごとの収益を分離する方法もあります。ただし、意思決定の時間遅れは大きくなります。

ソニー富士フィルム、キャノンのように、異分野の事業を持っている日本企業も多くあります。

分社化と、事業部制の違いについて、もう少しわかりやすい新聞報道を期待したいと思います。

 

注1:

筆者は、GEについては、詳しくないので、ここは、J&Jを念頭に置いて、書いています。

 

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