問題は、なぜ、企業分割をするのかという新聞報道です。
東芝は、企業分割をすることで、株価が上がるという説明をしています。
東芝の株価は、下がっていますから、この説明には、現状と整合性があります。
新聞は、別の記事で、GEとJ&Jも企業分割をするという記事を出しています。
東芝、GE、J&Jの記事の間に、時間順序と整合性がありません。
今までの東芝の経営を見ていると、後手後手になっていますので、突然、先手が打てるようになったとは思えません。
おそらく、GEとJ&Jが、企業分割を検討しているという情報が、東芝にも入ってきて、東芝が、真似をした可能性が高いと考えます。
GEとJ&Jは、東芝ほど、株価が下がっていませんので、株価対策で、企業分割を行う必要はありません。
しかし、新聞報道は、
「東芝は、株価対策で、企業分割をする」とかき、別の記事で、「GEは、株価対策で、企業分割をする」、「J&Jは、株価対策で、企業分割をする」 と書きます。
これは、最初の東芝の記事に、後の記事が辻褄合わせをしているためです。
それでは、GEとJ&Jは、なぜ、企業分割をするのでしょうか。
それは、スケールメリットが効かないためと思われます。
GAFAのような企業が、でてくることは、企業のスケールメリットより、機動性の確保が重要なことを示しています。特に、異業種では、意思決定までのスピード、意思決定をするの根拠となるエビデンスが違います。早い意思決定が大事なことは、コロナウイルスのワクチン開発のような例を考えれば、わかります。
スケールメリットがなくなり、水平分業が可能になった原因は、DXです。
DXが進めば、企業の分野ごとのスピードの違いが際立ってしまい不都合になります。
また、意思決定スピードの問題は、参加型のリーダーシップを採用している場合には、重要になります。
つまり、GEとJ&Jが、企業分割する背景には、次があると思われます。(注1)
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DXへの移行が完了している。
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参加型のリーダーシップを採用している。
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早急に、各部部門で、展開していきたい事業内容が明確になっている。
東芝の場合には、これらの条件は、現時点では、満たされていません。
分社化ではなく、事業部ごとの収益を分離する方法もあります。ただし、意思決定の時間遅れは大きくなります。
ソニー、富士フィルム、キャノンのように、異分野の事業を持っている日本企業も多くあります。
分社化と、事業部制の違いについて、もう少しわかりやすい新聞報道を期待したいと思います。
注1:
筆者は、GEについては、詳しくないので、ここは、J&Jを念頭に置いて、書いています。
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