1)色の調整
ミニマリリストの写真は、モノクロで最初に成功したと言われています。
禅画(水墨画)のイメージではないかと思われます。
カラーのミニマリストの写真は色数を減らすことが原則になります。
色合いは、原色に近い色はさけるべきという説明もありますが、作例は、そうでないことも多いです。禅画のアナロジーで言えば、浮世絵か、カキツバタ屏風のイメージかもしれません。浮世絵は、色を重ねて多色刷りにしますが、基本の色数は少ないです。
色数に決まりはありませんが、いくらミニリストといっても1色では、カラーになりにくいので、2色まで、減らせるかという検討になります。
作例で説明します。
失敗作ですが、考え方を説明します。
写真1は、サンプル画像です。ここには、青(空)岩(茶色)、草(緑)があります。
写真2で緑を除いて2色になるようにトリミングしています。
写真3では、露光モジュールのインスタンスを追加して、空の部分に描画マスクを作成しています。空が明るいので、このまま、露光調整をすると、空が白飛びしますので、空の露光を下げます。
写真4は、空の露光を下げた結果です。
写真5は、カラーバランスRGBで、色を調整しています。
あまり良い色合いにできませんでした。
まや、写真2で、草を外しましたが、結果として、空間の広がりが感じられにくくなりました。
そこで、写真6では、トリミングの範囲をひろげて、草が一部入るようにしてみました。そして、草の部分はレタッチモジュールで、岩を貼り付けました。
また、岩の色合いが明るすぎるので、カラーゾーンモジュールで色を変えています。
写真7が、一応の完成です。
写真7が余りにもつまらないので、写真8では、カラールックアップテーブルで色を変えてみました。
これで良しとは考えませんが、もう少し色の工夫の余地がありそうです。
ミニマリストの写真としては、ベンチと人物が主題です。
カラーキャリブレーションでは、ベンチと左の男性のジャケットの白が十分に白くなりません。
そこで、写真9のようなマスクを作り、カラールックアップテーブルで、白をより白くしてみました。PhotoshopやKritaのようなペイントツールであれば、白を塗れば良いだけですが、darktableの中で処理しようとすると、マスク+塗りつぶしになります。カラーライズでも同じことができると思います。
ここまでで、問題はまだ多いです。特に、雲のない空は、つまらないので、工夫すべきです。ここでは、元の青色に、捕らわれていますが、夕焼けの方がダイナミックな気もします。ただし、夕陽を入れると、主題が2つになりますので、あまり良くないかも知れません。
それから、夕陽の写真ですが、太陽は明るいので、夕陽が雲を通過している場合には、丸い太陽が見えますが、雲をとおしていない太陽は、必ず白飛びします。
太陽の写真は、インパクトがあるので、観光パンフレットには多用されますが、かなりの場合、白飛びしていないので、合成写真の可能性があります。