仕上げ工程の見直しの続きです。
今までは、仕上げに、アルミホイルを使っていたので、サツマイモが焦げず、焼き芋はアルミホイルに張り付かない温度として140度を設定していました。
しかし、仕上げ工程に、キッチンシートを使うことで、170度でも、焼き芋が、キッチンシートに張り付かないことがわかりました。
サツマイモの水分を早く飛ばすには、140度ではなく、170度の方がよいので、170度を使ってみることにします。
仕上げ工程では、加熱しすぎると焼き芋が焦げてしまいます。
理想としては、水分が十分に飛んで、少しだけ焦げ目がついて香ばしい状態がベストです。
考慮すべき、第1の要素は、サツマイモの大きさです。
サツマイモは大きい程、比表面積が小さくなるので、水分が飛びにくくなります。
また、大きなサツマイモでは、両端の耳の部分は、中央の部分より水分が飛びやすくなります。
サツマイモは大きくなる程、均一に加熱することも難しくなります。
サツマイモが大きくなると、加熱と水分飛ばしを均一調理することは困難になります。
このため、工場で、一番甘くなる条件で焼き上げる、冷凍焼き芋では、小から中サイズのサツマイモがよく使われます。
サイズの異なるサツマイモを同時に調理する場合には、焼き芋のサイズによって、加熱時間を調整する必要があります。
考慮すべき、第2の要素は、調理の時期です。
サツマイモは秋に収穫します。そのあと、店舗に並べるまで、貯蔵します。秋から冬にかけて、水分がだんだん減少しますので、時期により、加熱時間を調整する必要があります。
今回は、LとMのサツマイモを使いました。
2度加熱と2度保温したサツマイモを、アルミホイルから取り出して、天板の上のキッチンシートに、並べました。
このあと、Mは、170度30分、Lは、170度40分加熱してみました。
写真1が、170度80分加熱、保温、170度60分加熱、保温したサツマイモ、アルミホイルから取り出して、キッチンシートを敷いた天板の上に並べた状態です。表面の光っている部分は、麦芽糖の糖蜜です。
第1回目の加熱時間を60分ではなく、80分にしたのは、Lのサツマイモが含まれたためです。
写真2が、170度40分仕上げ加熱した焼き芋です。ここでは、左下にあった焼き芋を反転して、下側が上に来るようにして、撮影しています。焼き芋の表面の光っている部分は、麦芽糖の糖蜜が飴状にかたまった部分です。今まで、焼き芋が乗っていた、画面左下のキッチンシートにも、麦芽糖の糖蜜が飴状にかたまったものがみえます。
写真3は、焼き芋の断面です。左が、Mの170度30分仕上げ加熱した焼き芋、右がLの170度40分仕上げ加熱の焼き芋です。
焼き芋の断面にひびが入っているのは、水分が飛んだためです。
右に2つある焼き芋の切り身の下の方は、色が、少しだけ茶色になっています。
写真4は、この切り身の皮をむいた状態です。皮の部分が少しだけ焦げています。
ここでは、Lのサツマイモの水分を十分に飛ばすために、Mのサツマイモより10分長い40分加熱しています。
170度の加熱時間が長くなると、サツマイモは耳に近い部分から、焦げ始めます。
今回の40分では、弱い焦げ目がつく程度でした。加熱時間は、この辺りが限界と思われました。
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