ARTのスキャン画像処理とDTの比較

以前、Raw Therapeeの派生ソフトである、ARTをインストールしました。

ARTのインストール 2021/09/29

ARTの解説「Processing scans」を見ていたら、古いフィルム時代の写真をスキャンした画像の編集ができると書かれています。darktableには、ネガの現像モジュールはありますが、スキャンした画像に特に対応している訳ではありません。そこで、フィルム写真のスキャンをARTで、加工して見ました。方法は、「Processing scans」を参考にしています。

サンプル画像は、つくば市提供の写真を使用しました。ここに、1985年のつくば科学万博の写真があります。この時代なので、フィルム写真になります。デジタル変換してあるので、スキャンしたと思われます。

解像度は、以下のJpegファイルです。

3609 x 2562 =925万画素

 

写真1は、元の画像です。

この後、画像を回転して、水平にしていますが、その部分は省略します。

写真2は、ログトーンマッピングをかけています。

写真3は、ヘイズ処理をかけています。

ARTのヘイズ処理を曲線で設定する方法は、秀逸と思いますが、使いこなせていません。

写真4は、[ローカル編集]で、[ローカルコントラスト]ツールをアクティブにし、曲線を設定しています。

ヘイズ処理と同様に、曲線で設定する方法は、秀逸と思いますが、使いこなせていません。

写真5は、シャープネスをかけています。

写真6は、元の画像です。

写真7は、ARTで加工した画像です。

写真8が、darktableで加工した画像です。

1985年のフィルム写真は、経年変化で、劣化した部分もありますが、もともと解像度は低いようです。フィルム時代には、モノクロフィルムを使うプロのカメラマンが多かったです。自分で現像できることと、解像度の違いが、プロのカメラマンが、モノクロを選んだ理由と思います。

ARTの使い方に習熟していない点もありますが、このレベルであれば、スキャンした写真の加工に、darktableの代わりに、ARTを使うメリットはなさそうです。

しかし、ここには載せていませんが、Processing scansの後半部分で、画像を自在に加筆加工する部分は、ARTの独壇場で、darktableでは、全く、手が出ません。

つまり、写真7、写真8の先を考えれば、ARTを使うメリットは大きいと思われます。

その場合、RAWの現像加工は、darktableで行い、その後の加筆処理は、ARTなどの他のソフトで使う方法も考えられます。そのときに、加工途中のデータをどこまで、引き継げるかが課題になります。

ここでは、darktableで加工した画像を32bitTiffで、保存して、他のソフトで読み込んでみました。

写真9が、ARTで読み込んだ場合、写真10が、Gimpで読み込んだ場合で、どちらも問題はなさそうです。

darktableは今のところ、RAWの現像を最優先にする設計思想なので、加筆加工については、限界があります。

 

 

  • Processing scans

ART - Processing scans (bozart.eu)

https://www.city.tsukuba.lg.jp/shisei/joho/1008071.html

 

 

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写真1

 

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写真2

 

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写真3

 

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写真4

 

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写真5

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写真6

 

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写真7

 

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写真8

 

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写真9

 

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写真10

 

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