darktableとLightroomの比較(1)

1)RAW現像ソフトの比較の意味

RAW現像ソフトのデファクトスタンダードは、Lightroomです。

Lightroomは、サブスクリプション契約なので、毎月使用料を支払います。

昔の一括買取の販売モデルよりは安くなった気もしますが、RawTherapee やdarkroom、あるいは、スマホやカメラを購入すると付属しているRAW現像ソフトには、追加料金がかかりませんので、やはり、毎月使用料を支払うのは、高い気もします。

そこで、Lightroomでできることは、他のフリーのソフトでどこまでできるのかという質問が出てきます。

「The Best Free RAW Photo Editing Programs in 2022」には、次のソフトがあげられています。

GIMP、darktable、RawTherapee、Photopea、Krita、Adobe Lightroom CC

この中で、darktableには、次の説明がついています。

Best Free Lightroom Alternative for RAW Photo Editing

 

筆者が、darktableを始めたきっかけは、そのうち、Lightroomで現像することになるだろうが、最初は、darktableでRAW現像の練習をして、限界を感じたら、その時点で、Lightroomに移行しようという作戦です。

ところが、darktableは大化けして、半年ごとに、次々と新機能が出てきて、それを消化しているうちに、Lightroomに移行する気力が弱まってしまっています。

darktableは、何でもできる訳ではありません。機能はかなり限定されています。

LightroomPhotoshopから派生しています。Photoshopは、写真の画像調整ソフトであるとともに、お絵描きソフトの面もあります。アドビには、イラストレーターという強力な、ベクトル描画ソフトがあります。これに対して、Photoshopはビットマップに描画ソフトの面をもっています。

Lightroomの設計思想は、フィルム時代の現像プロセスをデジタルで再現することをコンセプトにしています。

darktableは、ゾーンシステムをつかったハイダイナミックレンジのRAW画像を編集することを目的としています。

darktableで推奨のシーン参照ワークフローを使った場合、Lightroomで表現できる色で、darktableでは表現できない色があります。

しかし、その色をつかった場合には、写真が荒れて、色合いが不自然になる可能性が高いと思います。どうして、Lightroomを使わずにそう考えるかというと、darktableの表示参照ワークフローとシーン参照ワークフローを比較していっています。

darktableの表示参照モードは、Lightroomをモデルに開発が進められました。表示参照ワークフローでは色の自由度は高いですが、気を付けないと破綻した色になります。

シーン参照ワークフローでは、色が不自然になることはまず起こりません。

この部分は設計思想の違いです。

この記事を書いた理由は、アドビの「風景写真の陰影を強調して立体感を演出する方法」を読んだからです。

サイトには、説明につかったRAWファイルがあり、ダウンロードできます。

ただし、使用条件が、「本素材は、練習用素材としてのみ、御利用頂けます。現像した作品の公開はお控えください」とありますので、編集後の写真を公開することはできません。

このサンプルは、画面に太陽の入った逆光写真です。

今のところ、フリーのRAW画像で、似た条件のものは見つかっていません。

 

 

引用文献

The Best Free RAW Photo Editing Programs in 2022

https://petapixel.com/best-free-raw-editing-programs/

風景写真の陰影を強調して立体感を演出する方法https://helpx.adobe.com/jp/lightroom-classic/how-to/deep-colors-tone-landscape-photo.html