7月第3週の東京都の感染者数のまとめ
7月の第3週も終わるので、今週の7月17日までの感染者データをまとめておきます。
Google Transitデータも更新しました。
Googleの予測データも、7月14日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。
東京都の検査データは7月15日に更新されています。
検査の陽性率
2021年7月15日 の(7日間移動平均値をもとに算出した)検査の陽性率は、8.1%(6.4%,5.5%,4.8,4.1,4.0,4.9,5.3,5.8, 6.8, 8.6, 6.9, 5.9, 5.2, 4.8, 4.2, 3.7, 3.7, 3.5, 3.3) %で、検査人数は8164.4人(8877.4人,7214人,6810.4人,6785.7人,4688.4人,7058.6人,7810.1, 7877.4, 9419.4, 6331.4, 7903.6, 8450.0, 7633.4, 7086.7, 6588.0, 6688.9, 6035.3, 6760.7, 6417.9) 人です。()は、7月8日、7月1日、6月24日、6月17日、6月11日、6月3日、5月27日、5月21日、5月13日 、5月6日、4月29日、4月22日、4月15日、4月8日、4月1日、3月23日、3月19日、3月16日と3月9日の速報値です。検査データが、更新されると、データは日付をさかのぼって修正されますが、以上の値は速報値の暫定値です。
なお、暫定値を訂正した陽性率は、図2にのせています。
図1が、7月14日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。
行動制限率は、7日移動平均では、-27%まで緩んでいます。今年に入って、もっとも緩いレベルです。
今週も、感染者数は増加しています。7日移動平均で1000人を超えました。
6月8日のGoogle予測は、感染者数は50人まで下がるというものでした。
6月16日のGoogle予測は、感染者数は112人まで下がるというものでした。
6月23日のGoogle予測は、感染者数は200人まで下がるというものでした。
6月29日のGoogle予測は、感染者数は600人で高止まりです。
7月7日のGoogle予測は、感染者数は1000人になります。
図1の7月14日のGoogle予測は、感染者数はピークで1200人になり、その後減少します。
図2に、11月1日からの東京都の経路不明率と陽性率を示します。経路不明率は62%くらいの高止まりです。一方、陽性率は、9%を越えて、増加しています。
図3に、感染者数の1週間前の同じ曜日との差を示しています。東京都が前週との比を使うようになったので、前週との減少比率(1week_ratio)もプロットしてあります。感染者数は増加しています。この行動制限率は移動平均ではなく、生の値で、日付は12日ずらしています。値はほぼ一定です。
まとめると、今週は、感染者数と陽性率は、増加し続けています。
17日の感染者数1410人中に占める60歳以上は78人で、割合5.6%です。
つまりワクチンの効果があって、そのうえで、感染者数が増加しています。
60歳未満は、死亡率が低くなります。つまり、高齢者に比べれば、行動制限によるメリットは相対的には小さくなります。
図1に見るように、緊急事態宣言の行動抑制効果はもはやみられません。とはいえ、Go Toの頃に比べれば、まだ、おとなしいレベルではあります。
「IOCバッハ会長らの歓迎会 40人余りで開催」するようなので、これは、適宜に自粛すればよいというメッセージになります。簡単に言えば、政府、東京都。JOCの感染拡大防止に対する本気度はつたわりません。
こうなると、もはや、ワクチン接種が拡がるまで、打つ手はありません。
一番怖いのは、変異株の影響です。
変異株に感染しているか否かは、変異株のDNAを調べる必要があります。
つまり、陽性反応を調べるだけでは、不十分です。さらに、DNAの分析が必要になります。
このため、感染者のうち、変異株に感染している人の割合が、問題になります。
表1を見ると、6月28日から7月4日までの変異株の検査割合は57.2% で、L452R(インド株)の割合は、21.5%です。前の週が14.7%、その前が8.4%なので、線形補間すれば、1週間に7%増加しています。
つまり、現在の感染拡大には、L452Rの影響が大きいと思われます。1週間で7%増とすれば、4週間で、28%増になり、変異株の割合が50%に達します。7月5日から7月11日の数字は整理中のようですが、
342/1236=27%
なので、1週間に6%、あるいは7%近く増加していると思われます。
この傾向からすると、7月の第4週に、30%を超えて来ると思われます。
再生産数で考えるような指数の世界では、経験的には、30%を超えると、アウトブレークが起こることが知られています。
つまり、第4週は、かなり危ないフェーズに突入すると思われます。
インド株は、接触がなくとも、うつることがあるといわれていますので、三密を避ける効果は期待できないようです。
オリンピックの無観客開催に前には、PCR検査数が一時的に減っていました。
現在、変異株に関する情報が、ほとんど報道されないので、問題が表に出るまで、伏せている可能性があります。経路不明者が3分の2で、変異株が3割近いとすると、1000人に、対しては、1000x0.66x0.3=200人が、変異株を持ったまま、東京都内を動いていることになります。
ということは、変異株を封じ込めるチャンスは、既に、なくなったといえそうです。
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都内の変異株スクリーニング検査の実施状況 7月15日
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/henikabu/screening.html
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L452R変異株スクリーニングの実施状況 7月15日 https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/cards/variant
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COVID-19 感染予測 (日本版)7月14日版
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NHK特設サイト
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/
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都内の最新感染動向
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
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Google Mobile Report
https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2021.7.17>2021-7-15version.