8月第1週の東京都の感染者数のまとめ~コロナウイルスのデータサイエンス(231)

8月第1週の東京都の感染者数のまとめ

8月の第1週も終わるので、今週の8月7日までの感染者データをまとめておきます。

Google Transitデータも更新しました。

Googleの予測データも、8月1日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。

東京都の検査データは8月5日に更新されています。

2021年8月5日 の(7日間移動平均値をもとに算出した)検査の陽性率は、21.3%(19.0%,13.1%, 8.1%, 6.4%, 5.5%,4.8,4.1,4.0,4.9,5.3,5.8, 6.8, 8.6, 6.9, 5.9, 5.2, 4.8, 4.2, 3.7, 3.7, 3.5, 3.3) %で、検査人数は12,513.9人(9868.9人,6604.1人,8164.4人,8877.4人,7214人,6810.4人,6785.7人,4688.4人,7058.6人,7810.1人, 7877.4人, 9419.4人, 6331.4人, 7903.6人, 8450.0人, 7633.4人, 7086.7人, 6588.0人, 6688.9人, 6035.3人, 6760.7人, 6417.9人) です。()は、7月29日、7月23日、7月15日、7月8日、7月1日、6月24日、6月17日、6月11日、6月3日、5月27日、5月21日、5月13日 、5月6日、4月29日、4月22日、4月15日、4月8日、4月1日、3月23日、3月19日、3月16日と3月9日の速報値です。検査データが、更新されると、データは日付をさかのぼって修正されますが、以上の値は速報値の暫定値です。

なお、暫定値を訂正した陽性率は、図2にのせています。

図1が、8月1日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。Google予測はスケールアウトしていますが、徐々に増加して、8月20日以降が、9000人台です。

行動制限率は、7日移動平均では、-33%まで緩んでいます。

今週も、感染者数は急増しています。7日移動平均で約3900人を超えました。

しかし、増加率は低下しています。

6月8日のGoogle予測は、感染者数は50人まで下がるというものでした。

6月16日のGoogle予測は、感染者数は112人まで下がるというものでした。

6月23日のGoogle予測は、感染者数は200人まで下がるというものでした。

6月29日のGoogle予測は、感染者数は600人で高止まりです。

7月7日のGoogle予測は、感染者数は1000人になります。

7月14日のGoogle予測は、感染者数はピークで1200人になり、その後減少します。

7月21日のGoogle予測は、感染者数は今後600人まで減少します。

7月28日のGoogle予測は、感染者数は3000を超え、その後、2400人まで減少します。

図1の8月1日のGoogle予測は、グラフの外になりますが、感染者数は徐々に増え、8月20日で9000人を超えると、ほぼ一定になります。

図2に、11月1日からの東京都の経路不明率と陽性率を示します。経路不明率は65%くらいの高止まりです。一方、陽性率は、22%近いです。

図3に、感染者数の1週間前の同じ曜日との差を示しています。東京都が前週との比を使うようになったので、前週との減少比率(1week_ratio)もプロットしてあります。感染者数は増加しています。この行動制限率は移動平均ではなく、生の値で、日付は12日ずらしています。値は連休で下がって、その後、戻していますが、連休前よりは、行動は少なめです。

31日のデータが過去のデータに比べ、あまりにオーバーレンジなので、プロット範囲を変更しました。

図3の1週前の比率を見みると、250まで増加したあと、30まで戻して、最後は10くらいです。この表示は100%を引いていますので、最近は、1.3倍が、1.1倍にまで下がっています。

つまり、ニュースでは、感染者数の人数の大小を問題にしていますが、増加率でいれば、ここ4日間は急速に収まってきています。

図4は、変異株率で、80%になりました。

図5は前に行ったモデル推定です。8月7日の平均感染者数は、3893人です。

先週、7月31日の感染者数からみた増加係数は、8月7日では、オレンジ色の部分ですが、3893人は、オレンジ色より、赤の四角に近い値です。つまり、ここ1週間の増加率は、その前2週間の増加率より、トレンドが下がっています。

増加率の低下の原因はよくわかりませんが、増加率は1.65より小さく見えます。

まとめ

ここ4日の増加率は、図3では、1.3から1.1まで下がっていますので、トレンドとしては、増加率がさらに下がる可能性もあります。

ただし、最近の検査数は12500人で、陽性率が20%であれば、感染者数が2500人で、現状と合いませんので、判断は保留したいと思います。

東京都の検査数データは「 2020年5月7日以降は(1)東京都健康安全研究センター、(2)PCRセンター(地域外来・検査センター)、(3)医療機関での保険適用検査実績により算出。」とありますので、検査数のずれは、民間の検査機関の検査数が入っていないためかもしれません。そうなると、検査数と陽性率データが現状を反映していないことになります。つまり、感染者数5000人の場合には、東京都のデータでは、全データの半分しか追跡出来ていないことになります。

その場合、このデータでは、対策をたてることは難しいと思われます。

 

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図1 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、8月1日版Google予測データ)

 

 

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図2 東京都の経路不明率と陽性率(右軸:経路不明率%、左軸:陽性率%)

 

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図3 東京都の感染者数の前週の同じ曜日との比較とGoogle Transit(左軸:感染者数の差、人、右軸:行動制限率%、右軸:感染者数の比x(ー1))

 

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図4 変異株の感染比率

 

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図5 モデル推定

 

  • 報道発表 令和3年 8月(都内の変異株スクリーニング検査の実施状況)

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/08/index.html

  • COVID-19 感染予測 (日本版)8月1日版

https://datastudio.google.com/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/4KwoB?s=nXbF2P6La2M

  • NHK特設サイト

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

  • 都内の最新感染動向

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2021.8.7>2021-8-6version.

 

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