ブックブーンと日本語

大学生のテキストは、英語であれば、無料版が手に入るのが、普通です。

おそらく、種類が一番、多いのは、ブックブーンで、探せば、大概のテーマに対するテキストがあります。

ブックブーンは、雑誌と同じで、広告を載せることで、費用を捻出するモデルです。広告代とのバランスがありますから、懇切的丁寧な教科書ではありませんが、それだけに、最短時間でさわりだけを学習する目的にあっています。

懇切的丁寧な教科書の典型は、OpenStaxです。これに勝てるだけの丁寧な解説の教科書は日本語ではないといえます。

この他にも、Open Textbook LibraryやAllen DowneyさんのGreen Tea Pressなどもあります。

以上は、大学以上ですが、高等学校までであれば、米国の各州に、フリーのテキストがあります。リストには、Michigan州を例にあげていますが、ほぼ、どの州にもあると思います。また、Openstax: K-12 というものもあります。これらは、「K12」をキーワードに検索すればヒットします。

日本語の問題

以上は、全て英語です。日本語の教科書で無料のものは、大学で、個人的にテキストを公開している方があるだけ、組織化・体系化されたものはありません。

NHKは、税金が入っているので、テキストは、電子書籍で無料公開すべきと思うのですが、そうなっていません。

ここのところ、小説投稿サイトを使っています。

その結果、わかったことは、小説投稿サイトには、文字しか投稿できないということです。

はてな、ブログの場合、数式を投稿しようとすると悲惨なことになりますが、大見出し、小見出し、箇条書きといった構造は、コピーできます。しかし、小説投稿サイトでは、これが出来ません。もちろん、小説投稿サイトでも、レシピ本といった項目分類はありますが、レシピ本で、箇条書きが使えないと、かなり苦しくなります。ですから、小説投稿サイトに、無料教科書を投稿することは、無謀です。

青空文庫も、著作権を主張しない原稿を集めているようですが、同じ問題を抱えています。

高等学校以下の貧困家庭の問題もありますから、高等学校以下の教科書や問題集も無料版があってしかるべきと思いますが、そうなっていません。自治体の中には、ボランティアの補修塾を支援しているところもあるようですが、問題集はどうしているのでしょうか。G7では、日本も途上国にコロナワクチンを配る約束をするのかもしれませんが、電子教科書については、国内は、援助以前の状態です。

結局、官僚と政治家と出版社がつるんで、教科書利権を手放さないといったストーリーを考えないとあり得ないようなひどい状態になっています。

この状態では、日本の教科書環境は、コロナワクチンの接種率と同じように、世界の国の下から数番目という状態になっています。

文科省・教育関係者の多くが、この日本の教科書無償デジタル化の遅れに気づきながら、行動していないのは、どうしてか、わからないのですが、なにか見落としがあるのでしょうか。

 

 

  • ブックブーン

https://bookboon.com/en

  • Open Textbook Library

https://open.umn.edu/opentextbooks/

  • Green Tea Press

https://greenteapress.com/wp/

  • OpenStax

https://openstax.org/

  • Openstax: K-12 Free Digital Textbooks

https://www.merlot.org/merlot/viewMaterial.htm?id=887590

  • Michigan State Free School Textbooks K-12

https://freekidsbooks.org/michigan-state-free-school-textbooks-k12/

 

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