Google Photoが元は、Google+の一部が、スピンアウトしたものです。 Google+も2019年に撤退しています。 Google+は、Facebookに対抗したサービスでしたが、結果的には、Googleが完敗したことになります。 ザッカーバーグは、Google+のスタート時点で、ソーシャルグラフを構築できなければ、Facebookには競合できないと指摘していました。 結果からすれば、ザッカーバーグの指摘の通りになりました。 Facebookのサービスは、一見すると普通のブログに似ていますが、決定的に違う点は、ソーシャルグラフの構築に焦点を置いている点にあります。 日本でも、2019年頃に、Yahooをはじめ、ブログサービスが整理されています。
ワインバーグのラズベリージャムの法則というものがあります。 これは、ある人が、他の人に影響与える力(教育の力)について述べています。 食パンにラズベリージャムを塗る話です。同じ量のジャムを食パンに塗る場合、食パンの枚数を増やすほど、ジャムの厚さは薄くなります。 つまり、労力が一定の場合、「感化する人数x一人当たりの影響力=一定」になります。 この法則は、ソーシャルグラフにも働いていて、人数が増えるほど、関わり合いが薄くなります。 マスコミは、視聴率や人数にしか、感心がありません。しかし、一人当たりの影響力は限られています。
テレビに出た健康食品が売り切れになりますが、1年もたたないうちに熱が冷めます。
つまり、ザッカーバーグはソーシャルグラフでは、次のようなことを考えていると思われます。
タイプ 人数 影響力
1 多い 小さい
2 中程度 中程度
3 少ない 大きい
恐らく、タイプ2とタイプ3の部分で、成功しているのはFaceBooKだけではないでしょうか。
日本語では、Qiitaが、タイプ2かもしれません。
小説の掲載サイトで、女性向けのサイトは、1ページの文字数制限があります。
野いちご、ベリーズカフェ、エブリスタは1000文字まで
魔法のiランドは2000文字まで
この場合、1ページをオーバーした部分は、手動で、次ぺージに移動させる必要があります。
つまり、携帯小説の流れを汲んで、タイプ1を狙っています。
Twitterも、280文字(2バイト140文字)なので、タイプ1になります。
タイプ1の場合には、読者は、量の多いものを読みませんので、データ量を増やすメリットはありません。
フリーのブログサイトや、小説投稿サイトがスタートしたときには、WEB上には、データがありませんでしたから、とりあえず、データがたまれば、読者が増えるだろうというビジネスモデルを考えていたと思われます。
しかし、頻繁に読まれる文章や、画像はごく一部で、それ以外にビジネスとしての価値はありません。
これが、撤退が相次いだ理由と思われます。
タイプ2とタイプ3の場合には、マッチングがうまくいかないと成功しません。
執筆者と質問者の関心が同じで、知識レベルが同じでないと、質疑応答が成立しません。
しかし、多くのサイトでは、そもそも議論が成立していない感じを受けます。
タイプ1で、利益を生み出せるサイトは限られます。そうすると、今後、撤退するサイトが増えて、無料サービスの範囲は狭くなってくると思います。
タイプ1、タイプ2、タイプ3は、便宜上独立しているように扱っていますが、実態はより、複雑です。
例えば、タイプ3の典型と思われる情報伝達の方法に、学会があります。
実は、学会という組織が、機能性がタイプ3であるかといえば、問題を抱えています。例えば、学会の専門分野の中で、更に、範囲を狭めると日本では、5人以下しか専門家がいないような細目もあります。こうした場合には、恐らく、国内の学会より、FaceBookで世界で仲間を募る方が、合理的です。
また、コロナウイルスにみられるように、タイプ3の知識は、学会誌や論文集に掲載するだけでは、社会に対する働きかけが十分とはいえません。つまり、縦の階層の間のリンクも重要です。
学会があると、大会があって、そこまで、旅行して口頭発表します。これだけ、実時間が制約されると、まともに毎年お付き合いできる学会は3つ程度になります。まして、国際学会であれば、更に、時間制約が大きくなります。しかし、コロナで分かったように、リモートで済めば、制約時間は減らすことができます。アクティブな学会数を増やせます。
このような点を考えると、従来の学会というシステムはレガシーが多く、効率的ではありません。
同じことは、学術会議に言えるわけです。
結局、ソーシャルグラフをどのように形成して、管理していくかを考える時期に来ていると思われます。
当面、FaceBookの一人勝ちが続くのでしょうか。