「福島第一原発の処理水を海洋放出」の意思決定をめぐって

福島第一原発の処理水の海洋放出が決まったようです。

マスコミは、その是非を論じています。

しかし、ここで問題にしたのは、政策の是非ではありません。

中身はとりあえず、x[=ブラックボックス]に入れて、どうして今、決まったのかという疑問です。

このXには、他の物を入れることもできます。

たとえば、Xに非常事態宣言を入れることもできます。

どちらも、どうして今、決まったのかという明確な説明はありません。

福島第一原発の処理水は、どこかの時点で、放出しないとパンクすることは物理的な問題です。

不明な点は、こうした場合に、ほかの選択肢と比較して決めているはずと思うのですが、比較検討が明示されないことです。

非常事態宣言も同じで、今発令する、1週間前に発令する、1週間後に発令するといった、複数の選択肢から、選んでいなければ、まともな選択はできません。

よく、今のAIは人間より劣っているが、そのうちAIが人間に追いつくような議論がなされることがあります。

しかし、非常事態宣言をいつ出すかというような選択であれば、コンピュータシステムは、しっかりした評価関数を設定しさえすれば、人間より、速く、正確に、適切な判断をすることができます。特に、判断が遅いことによる無駄な時間遅れはありません。これは、現在の株式売買では、コンピュータシステムによる判断が主流になっていることからも確認できます。

判断基準が説明できないということは、高度な政治的判断と言われているものが、実は、データをよく見ずに、山勘で判断している可能性も否定できません。それなら、AIロボットに任せた方が良いと思われます。特に、コロナウィルスを押さえるという点で考えれば、今までの非常事態宣言の発令の判断は、あまりにも稚拙で、同じことを株式売買で行っていたら、大損を出して首になっているレベルのトレーダーのように感じてしまいます。