darktableでポートレートを写す(15)

ポートレート現像の注意点の整理(6)フィルミックRGBの設定

レンズや、センサーの性能評価では、よく、解像度の良し悪しが問題になります。最近の高性能レンズは、フイルム時代のレンズに比べれば、驚異的な解像度があります。カメラにつける標準ズームレンズを利用する場合、良いレンズであれば、解像度のあるレンズになっているはずです。

問題は、ポートレート、特に、女性のポートレートの場合には、解像度が高く、顔の皺が1本1本見分けられる写真は好まれないという点にあります。つまり、解像度よりも柔らかな画像が好まれます。RAW現像の場合も、風景写真のようにできるだけ、くっきり写るのではなく、ソフトに仕上げることが望まれます。 

今回はフィルミックRGB・モジュールで、この点を検討します。

最初は、シーンのパラメータを調整します。

写真1はフィルミックRGBのプリセット・パラメータです。

写真2では、フィルミックRGBで白と黒の相対露出を修正しています。これは、コントラストを弱めにして、柔らかな画像にするためです。

写真3では写真1とフィルミックRGBの写真2の処理を比較しています。左が写真1(元の画像)、右が写真2(修正後の画像)です。右の方が、柔らかい画像になっています。

次に、ルックのパラメータを調整します。ここでは、比較をしやすくするために、シーンのパラメータは変更前になっています。

写真4はフィルミックRGBのルック・サブメニューです。画像を柔らかくするには、コントラストと輝度(latitude)が使えそうです。

写真5ではフィルミックRGBでコントラストを修正して、画像を柔らかくしています。

写真6では、写真4とフィルミックRGBの写真5の処理を比較しています。左が写真4(元の画像)、右が写真5(修正後の画像)です。右の方が、柔らかい画像になっています。

フィルミックRGBでは、パラメータの変更は、全て、カーブの形に反映されます。

ここでは、画像を柔らかくする方法を主にコントラストで検討しました。しかし、ポートレートでも、画像の全てを柔らかくするべきではありません。目と唇は、くっきりした方が見栄えがします。

これには、レイヤー処理が必要になるので、darktableでマスクを使うか、レイヤーに対応したKritaなどのペイントソフトで処理することになります。

 

 

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写真1 フィルミックRGB(シーン:プリセット)

 

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写真2 フィルミックRGB(白と黒の相対露出を修正)

 

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写真3 フィルミックRGB(写真1:写真2)

 

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写真4 フィルミックRGB(Look・サブメニュー)

 

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写真5 フィルミックRGB(コントラスト修正)

 

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写真6 フィルミックRGB(写真4:写真5)

 

使用した写真は、「FREE RAW PHOTOS FOR EDITING」というサイトからダウンロードしたもので、特に、ライセンスの制限はないようです。

  • FREE RAW PHOTOS FOR EDITING

https://www.signatureedits.com/free-raw-photos/