ポートレート現像の注意点の整理(6)フィルミックRGBの設定
レンズや、センサーの性能評価では、よく、解像度の良し悪しが問題になります。最近の高性能レンズは、フイルム時代のレンズに比べれば、驚異的な解像度があります。カメラにつける標準ズームレンズを利用する場合、良いレンズであれば、解像度のあるレンズになっているはずです。
問題は、ポートレート、特に、女性のポートレートの場合には、解像度が高く、顔の皺が1本1本見分けられる写真は好まれないという点にあります。つまり、解像度よりも柔らかな画像が好まれます。RAW現像の場合も、風景写真のようにできるだけ、くっきり写るのではなく、ソフトに仕上げることが望まれます。
今回はフィルミックRGB・モジュールで、この点を検討します。
最初は、シーンのパラメータを調整します。
写真1はフィルミックRGBのプリセット・パラメータです。
写真2では、フィルミックRGBで白と黒の相対露出を修正しています。これは、コントラストを弱めにして、柔らかな画像にするためです。
写真3では写真1とフィルミックRGBの写真2の処理を比較しています。左が写真1(元の画像)、右が写真2(修正後の画像)です。右の方が、柔らかい画像になっています。
次に、ルックのパラメータを調整します。ここでは、比較をしやすくするために、シーンのパラメータは変更前になっています。
写真4はフィルミックRGBのルック・サブメニューです。画像を柔らかくするには、コントラストと輝度(latitude)が使えそうです。
写真5ではフィルミックRGBでコントラストを修正して、画像を柔らかくしています。
写真6では、写真4とフィルミックRGBの写真5の処理を比較しています。左が写真4(元の画像)、右が写真5(修正後の画像)です。右の方が、柔らかい画像になっています。
フィルミックRGBでは、パラメータの変更は、全て、カーブの形に反映されます。
ここでは、画像を柔らかくする方法を主にコントラストで検討しました。しかし、ポートレートでも、画像の全てを柔らかくするべきではありません。目と唇は、くっきりした方が見栄えがします。
これには、レイヤー処理が必要になるので、darktableでマスクを使うか、レイヤーに対応したKritaなどのペイントソフトで処理することになります。
使用した写真は、「FREE RAW PHOTOS FOR EDITING」というサイトからダウンロードしたもので、特に、ライセンスの制限はないようです。
-
FREE RAW PHOTOS FOR EDITING
https://www.signatureedits.com/free-raw-photos/