露光調整とフィルミックRGBの初心者向け解説(4)

フィルミックRGBの復習(1)

今回は最初はDelétrée PhlippeさんのフィルミックRGBの解説を紹介するつもりでしたが、You tubeを見たら筆者のフィルミックRGBモジュールの理解にいい加減なところがあることがわかりました。特に、フィルミック曲線の上に載っている点がよく分かっていません。白い点2つは、25%と75%の四分位と思うのですが、オレンジ色の点が理解できていません。なので、まずは、フィルミックRGBの復習から入る必要性を感じました。筆者がdarktableを使い始めたのはv2.6の時で、この時では、既に、フィルミックモジュールがありましたが、ワークフローはマニュアルには明示されていませんでした。また、筆者が読んだdarktableのマニュアルは、v2.6でそのあとは、機能更新の紹介を追跡してました。現在の最新版のマニュアルv3.0には、フィルミックRGBの説明がのっています。しかし、これは、読んでいないことに気づきました。ですから、基本的には、これをまず、読み込んで理解しよう思います。なお、darktableのバージョンとフィルミックRGBのバージョンの対応は以下になっています。

darktable フィルミックRGB系モジュール 全体マニュアル
2.6 フィルミック あり
3.0 フィルミックRGB3.0 あり
3.2 フィルミックRGB4.0 未刊行

 

今回は、darktable3.0のマニュアルからフィルミックRGBのマニュアルの最初の部分を取り上げます。

次いで、モジュールの概要の理解のために、参照して読むべきとされている「darktabale2.6のフィルミックユーザーのためのフィルミックRGB」(Filmic rgb for Darktable 2.6 filmic users )です。後者には、ワークフローの説明がありますので、darktable3.0のマニュアルのフィルミックRGBの解説の中のワークフロー(後で紹介予定)と共にワークフローの参考になります。

フィルミックRGB

概要

フィルミックRGBモジュールは、クラシックフィルムの色調と色の応答を再現することにより、画像の色調範囲を圧縮します。言い換えると、中間調の色とコントラストを保護し、シャドウを回復し、明るいハイライトを圧縮します。この方法は、ポートレート写真、特にバックライトの撮影写真に非常に適していますが、ハイライト(雲など)があって細部のトーンの保持が必要な場合には特に注意が必要です。このモジュールは、T.J.SobotkaによるBlender3Dモデラーの同じ名前のモジュールから派生しています。このモジュールは、主にRAWのセンサーデータからハイダイナミックレンジの復元を目的としています。フィルミックRGBモジュールはベースカーブモジュールの代わりに任意の画像で使用できます。開発者は、[Filmic RGB:darktable 3.0のダイナミックレンジを再マップする](https://www.youtube.com/watch?v=zbPj_TqTF88)というビデオでモジュールの詳細な説明をしました。 Filmic rgbは、darktable2.6.xで提供されているfilmicモジュールの後継です。基本的な仕様はあまり変更されていませんが、以前のバージョンのユーザーはワークフローの1対1の対応を期待するべきではありません。[「Darktable2.6フィルミックユーザー向けのフィルミックRGB」というセクション](https:// darktable。 gitlab.io/doc/en/tone_group.html#filmic-rgb-for-26-users)を参考にすると便利です。

以下は、「Darktable2.6フィルミックユーザー向けのフィルミックRGB」の内容です。

「Darktable2.6フィルミックユーザー向けのフィルミックRGB」

フィルミックRGB(新)はフィルミック(旧)モジュールの再実装であり、旧バージョンから新バージョンに切り替えるにはいくつかの調整が必要です。 この最後のセクションでは、最も重要な違いを強調しています。 より包括的な概要は、[darktable2.6のユーザーに説明されたdarktable3.0の拡張されたフィルミック](https://www.youtube.com/watch?v=9awBFYcPgGU)というビデオとして入手できます。 使用法に関する主な違いは次のとおりです

  • 新旧のモジュールのデフォルトパラメータには互換性がありません。デフォルトパラメータを使用してフィルミックRGBモジュールをアクティブ化しても、デフォルトパラメータを使用した旧フィルミックモジュールと同じ結果は得られません。

  • 輝度(ルミナンス)は、EVの絶対値ではなく、ダイナミックレンジのパーセンテージで表されるようになりました。

  • 過飽和を回避するために旧のバージョンのフィルミックにあった彩度スライダーは、新フィルミックRGBが色の保持に優れているため、不要になりました。

  • 旧のバージョンのフィルミックは、常にプロフォトRGBプロファイルを使用していました。フィルミックRGBは、[* input color profile ](https://darktable.gitlab.io/doc/en/color_group.html#input_color_profile)モジュールで定義されている作業用カラープロファイルを尊重します。作業プロファイルを線形プロフォトRGB *に設定すれは同じ操作ができます。

 

旧バージョンのフィルミックと新フィルミックRGBの間で同様の結果を得るには、次の手順をお勧めします。

  1. パラメータをフィルミックからフィルミックRGBに転送します。輝度パラメータは、入力ダイナミックレンジのパーセンテージで指定されるようになりました。フィルムの入力値からそのパーセンテージを計算します。

  2. コントラストを下げます。

  3. クロミナンス保存を使っている場合を除き、極端な輝度の彩度( the extreme luminance saturation)を50%に設定します。

  4. シャドウ/ハイライトのバランスを調整して、カーブのクリッピングを回避します

  5. 中央の灰色の輝度を少し上げ、ダイナミックレンジのスケーリングを約6%に設定します。

  6. 古いクロミナンスの保持を設定する場合には、*最大RGB *モードを使います。その場合、極端な輝度の彩度( the extreme luminance saturation)を変更しないでください。

  7. 奇妙なカラーシフトが発生した場合は、[* input color profile *](https://darktable.gitlab.io/doc/en/color_group.html#input_color_profile)モジュールで作業色空間をプロフォトRGBに変更します。

     

今回は以上です。