darktableでポートレートを写す(7)

DPPのポートレート特性の再現

darktableでポートレートの現像事例を示したいと考えました。その時に、darktableの現像とカメラ内現像を出来たら比較しようと思いました。まず、ダウンロードしたサンプル画像のうち、キャノンのRAWに相当する画像をえらびました。自社製のRAW現像ソフトがあるのは、キャノン、ニコンオリンパスだけなので、この3社であれば、どこでもよかったのですが、ポートレート画像は、キャノンが多いので、結果としてキャノンになりました。

まず、キャノンの現像ソフトDPPでRAWからJpegの比較画像を作ってみます。

写真1が、読み込んだ時の自動現像画像です。この状態では、ピクチャースタイルは自動になっています。

写真2がピクチャースタイルをポートレートに変更した画像です。

ピクチャースタイルは、基本的には、色合いを調整する機能です。キャノンの説明では、ポートレートスタイルでは、色合いだけでなく、シャープ化を通常よりは弱めにかけているとあります。写真1と2を比較すると、額のところの皮膚が、写真2の方が滑らかになっています。これが、シャープ化を弱くしている効果と思われます。

darktableでも同様の処理をしないと比較になりません。darktableにもシャープ化モジュールはありますが、通常はシャープ化モジュールは使われませんので、シャープ化を弱くすることはできません。

Youtubeで調べたところ、コントラスト・イコライザー・モジュールで、輝度メニューを開いて、水平線のパラメータを中央を下げてU字型に修正すれば皮膚のトーンがソフトになることがわかりました。実際に試してみると、パラメータを効かせすぎるとソフトフォーカスのようにボケた画像になってしまいます。darktableのstyle fileを探したところSkinRetouchというスタイルファイルが見つかりました。このスタイルファイルを適用してみました。このスタイルファイルは、写真3のパラメータで、コントラストイコライザーを適用するだけのようです。ただし、パラメータの曲線は、U字型に下がっているのではなく、全体に少し上に上がっていて、そのうえで、中央がV字型に下がっています。

写真4が、もとの画像(左側)とSkinRetouchを適用した画像(右)を比較したもので、額の部分の皮膚がなめらかになっています。

パラメータの値については、好みがあるので、一概にはどれが良いとは言えませんが、コントラストイコライザーの彩度メニューでパラメータを調整すれば、皮膚を滑らかでき、DPPのポートレート特性が再現できることがわかりました。

f:id:computer_philosopher:20200810135802j:plain

写真1 DPP(自動)

 

 

 

f:id:computer_philosopher:20200810135843j:plain

写真2 DPP(ポートレート)

 

 

f:id:computer_philosopher:20200810135919j:plain

写真3 SkinRetouchのパラメータ

 

 

f:id:computer_philosopher:20200810135944j:plain

写真4 SkinRetouchの効果(左:元の画像、右:修正画像)

 

使用した写真は、「FREE RAW PHOTOS FOR EDITING」というサイトからダウンロードしたもので、特に、ライセンスの制限はないようです。

  • FREE RAW PHOTOS FOR EDITING

https://www.signatureedits.com/free-raw-photos/

  • ピクチャースタイル Picture Style 概要

https://cweb.canon.jp/eos/picturestyle/index.html

  • SkinRetouch

https://darktable.fr/download/Styles/index.html