デフォルトのワークフロー構成オプションが変更になりました。
これ自体は、処理内容には関係しませんが、darktableをよく理解していない人にはわかりにくいので、補足しておきます。
デフォルトのワークフロー構成オプションは次の4つです。
- シーン参照 (フィルミックRGB) – デフォルト
- シーン参照 (シグモイド)
- ディスプレイ参照 (レガシー)
- なし
darktableは、RAWをRGBに、変換する方法を3種類持っています。
フィルミックRGB
シグモイド
ベースカーブ(レガシー)
ベースカーブは、darktable以外のRAW現像ソフトが採用している方法で、darktableでは、レガシーと呼ばれ、過去のRAW現像の互換性のために、残されていますが、非推奨です。
また、ホワイトバランスを調整する方法(カラーモデル)を2種類持っています。
- ホワイトバランス
- カラーキャリブレーション(+ホワイトバランス)
カラーキャリブレーションは、太陽光などの光源と黒体放射の2光源に対応しています。カラーキャリブレーションモジュールを使う場合でも、ホワイトバランスモジュールは機能をスルーして使われます。
今回のバージョンアップで、旧バージョンのカラーモデルの設定がなくなりました。
ディスプレイ参照 (レガシー)が、ホワイトバランス、シーン参照がカラーキャリブレーションに自動設定されます。
なお、ディスプレイ参照が、Cab色空間を使う編集で、シーン参照は、RGB色空間をつかう編集です。
RAWのダイナミックレンジが7EVを越えると、Cabの独立性がなくなり、明暗を調整すると色が変動してしまいます。その結果、RAW編集は、明暗と色の編集の微調整を繰り返す必要が出ます。
RGB色空間では、この問題は発生しませんが、複数のパラメータを連動させて編集することになります。このため、モジュール数は減りますが、1つのモジュールが肥大化します。
darktableは、最新の色彩科学の基づいた唯一のRAW現像ソフトで、編集による画像劣化のもっとも少ないRAW現像ソフトです。
妥協が少ないので、diffuse and sharpenモジュールのような一部のモジュールでは、GPUを実装していないPCでは、実用的な処理速度が得られません。
しかし、diffuse and sharpenモジュールのシャープネスは性能が良するのであって、通常の使用では、local contrastなどの代替モジュールでも十分実用になります。