Eマウントのマウントアダプター

マウントアダプターを使って、ミラーレスカメラで、一眼レフのレンズを使う場合を考えます。

 

1)基本

マウントアダプターは、中古レンズを対象にしています。

 

同じような性能のレンズが異なったマウントで、中古市場にある場合、マウントによる価格の違いが問題になります。

 

この場合、対象レンズは2種類に分かれます。

 

(1)絞りリング付きのレンズ

フィルム時代とデジタル初期のレンズにあてはまります。

 

(2)絞りリングなしのAFレンズ

 

デジタル時代のレンズに当てはまります。

 

「(1)絞りリング付きのレンズ」の場合には、基本はマニュアル・フォーカスです。

 

「(2)絞りリングなしのレンズ」では、アダプターによっては、AFが効く場合があります。

 

 

これは、原則、同じメーカーの純正マウントアダプターを使った場合に限られます。

 

さて、2023年の現状では、ミラーレス・カメラの市場は、SONYCANONの2強になっています。

 

FujifilmのXマウントは、APS-Cなので、既に、Fujifilmのユーザーは別にして、新規に、APS-Cに乗り換える理由はレンズ以外にはありません。

 

CANONのRFマウントの場合、CANONの一眼レフ用のEFマウントのレンズが使えます。

 

SIGMATAMRONのEFマウントのレンズがどこまで使えるかは不明ですが、ある程度は作動すると思われます。

 

SONYのEマウントの場合には、問題は複雑です。

 

SIGMAは、Eマウント用のEFマウントアダプターを出しています。

 

このアダプターを使うと、SIGMAのEFマウントのレンズとSIGMAは保証していませんが、CANONのEFマウントのレンズが、Eマウントのカメラで使えます。

 

ただし、これには、例外があって、競合企業のTAMRONのEFマウントのレンズには対応していません。

 

TAMRONの一眼レフのレンズは、Aマウント用があれば、SONYのAマウント用アダプターで使えると思われます。

 

マウントアダプターを使う場合、MFの「(1)絞りリング付きのレンズ」であれば、どのマウントのレンズでも問題はありませんが、AFの「(2)絞りリングなしのAFレンズ」では問題は複雑になります。

 

2)ケラレと周辺減光

 

ところで、Eマウントは、APC-S用に作られた規格です。

 

Eマウントサイズは、APS-C用のEF-Mとほぼ同じです。

Eマウントにフルサイズセンサーを組み込むことは、マウントの仕様上無理があります。

 

Eマウントに純正マウントアダプタを介してαマウントの望遠レンズを装着すると、周辺減光が発生します。ただし、ケラレが発生することはありません。

 

200mmはF4まで、300mm以上はF8まで絞れば、減光の問題はないようなので、問題の発生は一部にとどまります。

 

2014年にシグマの山木和人社長は次のよう言っています。

Eマウントはマウント径があまり大きくないため、ソニーFEシステム用のARTレンズを造るのは少々難しい。ソニーがどうして、(Eマウントを)このようにしたのかは分からない。おそらく、Eマウントは当初APS-C用で、その後フルサイズ用にも使用したのが理由だろう。

 

2015年に、SONYソニーのMakoto Kanai 氏とAkihiro Egawa氏は、次のように言っています。

もし良い画質を求めるならレンズのサイズを小さくできないため、新しいFEレンズ群は大きくなっている。

 

FEレンズ群は将来の50MP超のフルサイズセンサーに対応した解像ができる。


フランジバックの短さとEマウントの直径の制限が、ソニーのレンズデザイナーにとって大きな制約となっているかという点に対する解答は以下です。

 

A1:この種の設計は、焦点距離の短いレンズ群には助けになっていて、昔ながらの一眼レフではこれと逆のことが起きる。

 

A2:長い焦点距離のレンズ群の設計に関しては難題かもしれない。

 

 

つまり、単焦点レンズの性能は良くなるが、望遠レンズの性能を上げるには、大型化が避けられないことになります。

 

万能な、マウント規格はありません。望遠の大型レンズは、手持ちでは撮影できませんし、レンズの価格も非常に高くなるので、クロップセンサーにまかせればよいと思われます。

 

3)まとめ

 

マウントアダプターに、AFを求めないのであれば、安価なマウントのレンズを選ぶ方法があります。

 

ただし、AFを求めるのであれば、レンズのマウントとミラーレスのカメラ側のマウントの対応を考慮する必要があります。

 

その場合、汎用性のあるマウントは、Eマウントではなく、RFマウントになります。

 

フルサイズの望遠レンズは高価で重くなるので、購入対象外として、APS-Cで済ませるのであれば、2つのマウントの差はありません。

 

カメラの小型化を考えれば、むしろ、Eマウントが有利になります。

 

大切なことは、使用目的を考えて、必要のない部分には、投資しないことです。

 

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