カメラの過渡期

ニコンが、Zfに、ピクセルシフトマルチショットを搭載してきました。

 

ニコンの説明は以下です。

 新次元のディテール — ピクセルシフト撮影【NEW】

天井画をはじめとする建築装飾の細かなディテールや美術品の緻密な色彩、昆虫や鉱物の精緻な構造などを、想像を超える没入感と質感で表現できます。Z f はピクセルシフト撮影により、モアレや偽色、ノイズを抑えた新次元の解像度と忠実度で、様々なシーンを撮影できます。4コマ、8コマ、16コマ、32コマと撮像素子の位置を微妙にずらしながら撮影することで、より正確な色情報を得ることが可能。16コマ、32コマでは約9600万画素という圧倒的な高解像度が得られます。撮影したRAW(NEF)画像は、NX Studioを使用して合成できます。


合成した際の画質が最も良くなる32コマの撮影がおすすめです。

32コマでは約9600万画素になります。

 

ピクセルシフトマルチショットは、これから、進化すると思われます。

 

一方、手振れ防止は、5段から8段にレベルアップしています。

 

パナソニックのG9IIも8段だったので、各社とも上限に達しています。

 

手持ちハイレゾ(手持ちマルチショット)には、進化の余地があります。

 

G9IIは、1億画素手持ちハイレゾ撮影に対応しています。

 

旧型のG9は、手持ちハイレゾ撮影には対応していませんでした。

 

Zfは、手持ちマルチショットではありませんが、時間の問題で対応してくると思われます。

 

マルチショットは重要と思いますが、標準化がおくれています。

 

マルチショットを扱うと複数のRAWファイルを一括して扱うので、共通のコンテナのフォーマットが必要ですが、まだ、ありません。

 

マクロの深度合成は、どのカメラでもLightroomで合成できます。

しかし、規格が標準化されていないように見えます。

 

1年くらい前に、LUMIX G VARIO 45-200mm F4.0-5.6 II POWER O.I.S. がディスコンとなりました。これは、2008年9月に出たMFTの最古のレンズでした。II型になっても、光学設計は変わっていません。14年続いたことは、長いと言えるでしょう。

 

1インチのコンデジやブリッジカメラもほとんどがディスコンになっています。

 

カメラは、明らかに過渡期にあります。

 

Zfの自動焦点は、「人物 (顔・瞳・頭部・胴体)犬・猫・鳥 (頭部・瞳・全身) 車・バイク・自転車・列車、飛行機 (全体・先頭・コックピット)」に対応しています。

 

しかし、自動焦点の認識範囲を、自社で拡張するのは、馬鹿げています。

ファームウェアのインターフェースを公開して、オープンに開発を募る方が、開発速度は早くなります。スマホであれば、撮影をアシストするソフトウェアがあります。

 

結局、カメラメーカーは、ハードウェアで利益をあげるか、ソフトウェアで利益をあげるかの分岐点にあるとおもいます。

 

自動焦点の認識範囲の拡張には、2つの意味があります。

 

第1に、これは、プロのカメラマンを失業させます。

 

カメラ雑誌は廃刊してなくなりました。

 

写真の99%はWEBでみられています。

 

解像度は1000x1000あれば十分です。

 

これは、プロのカメラマンが食べていくことが、難しいことを意味します。

 

 

第2に、特殊な撮影をしない人にとっては、自動焦点の認識範囲の拡張は、不必要な機能です。つまり、自動焦点の認識範囲の拡張に対価を払うアマチュアカメラマンは、少数です。価格が変わらずに、追加機能があれば使いますが、機能を求めて買い替える人は少ないと思われます。少なくとも、現在販売されているカメラには、瞳認識がありますので、それで、足りている人も多いと思われます。

 

要するに、第1も、第2も、中期的には、カメラメーカーの足をひっぱりますが、他社とも競争があるので、開発に突入しています。

 

冷静に考えれば、別のビジネスモデルを考えるべきです。

 

という訳で、現在使っているカメラが壊れなければ、筆者は、当面は、様子見になっています。