ブランケット撮影の研究(2)深度合成の整理(1)

深度合成の整理

最初に、用語の確認ですが、焦点距離を変えて、ブランケット撮影をすることを、フォーカスブランケットといい、フォーカスブランケットで撮影した画像を合成することを、深度合成といいます。

オリンパスのカメラの場合、カメラ内で、深度合成ができる機種と、フォーカスブランケットだけができる機種があります。

フォーカスブランケットで得られた画像をパソコンで、深度合成するには、Photoshopをつかう、オリンパスであれば、オリンパスワークスペースをつかう、無料のCombine ZPをつかう方法があります。

フォーカスブランケットで撮影した場合には、ブランケットの枚数だけ、RAW、Jpegのファイルが保存されます。

オリンパスのEM1mark IIでは、深度合成は、フォーカスブランケットのサブメニューになっています。

この機種で、深度合成をすると、フォーカスブランケットの枚数だけ、RAW、Jpegのファイルが保存されます。さらに、最後に、深度合成したJpegが保存されます。

一方、コンデジのTG-5の場合には、最初に焦点のあったJpeg、RAWと深度合成したJpegが保存されます。

深度合成されたJpegファイルには、他のファイルと同じように通し番号が振られます。

つまり、ファイル名では、識別できません。

写真1は、通常のRAWのEXIFデータの一部です。

写真2は、深度合成されたJpegEXIFデータの一部です。

Compression 6(jpeg)

の行が、深度合成ファイルであることを示しています。

フォーカスブランケットと深度合成は、基本は、マクロ撮影を想定しています。

これは、フォーカスをずらす範囲が、マクロ撮影を前提としているということです。

コンデジのTG-5の場合には、深度合成は、マクロメニューの中にあり、マクロでないと、全く焦点が合いません。

EM1mark IIの場合には、マクロでなくともシャッターが切れますが、マクロでないと、最初の1枚以外は、フォーカスがずれているだけなので、深度ス合成は、機能していないと思われます。

例を示します。

写真1は、F2.8、写真2は、F8.0、写真4は、F14.0で撮影しています。

これに対して、写真3では、F8.0で、深度合成をかけていますが、写真3より、ぼけています。

写真は、全て、画像の中央を、最大に拡大した、等倍の画像です。

これは手持ちで撮影しているので、深度合成に、手振れが影響している可能性もありますが、それより、距離が遠すぎたことが原因と思われます。

次回に整理しますが、デュアルカメラを搭載しているiPhoneで、被写界深度エフェクトをつかったボケ調整ができる距離は、8フィート(約2.4m)以内です。

マクロ撮影でなくとも、深度合成がある程度はできるかもしれませんが、おそらく、2.4m以内くらいが限界と思われます。

なお、最新機種の E-M1mark IIIでは、mark IIに比べて、撮影枚数が8枚から15枚に増え、手ぶれ補正も5段から7段へ改良されています。

 

まとめますと、現時点での深度合成は、マクロ撮影中心で、距離の大きな撮影には対応していないと思われます。

それから、合成結果は、カメラ内では、Jpegのようなので、RAWの深度合成ファイルを得るには、パソコンで処理する必要がありそうです。これは、まだ、試していないので、確認が出来たら報告したいと思います。

 

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写真1

 

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写真2

 

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写真3

 

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写真4

 

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写真5

 

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写真6