リベラルアーツが有害である証明(3)

7)総合評価

 

太陽発電:

 

太陽光発電を設置するために、森林を伐採しています。

 

森林を伐採すれば、CO2の吸収量が減ります。

 

鳥が生息できなくなるので、生態系が変化します。

 

トータルの環境影響はどうなるのでしょうか。

 

あるいは、森林伐採は、崖崩れのリスクを高めます。

 

トータルの環境影響はどうなるのでしょうか。

 

円安:

 

円安になれば、ドルで見た実質の賃金が下がります。

 

人件費が圧縮できます。

 

企業の円建ての利益があがります。

 

実質賃金が下がれば、労働者の生活が苦しくなります。

 

生活が苦しくなれば、婚姻率が下がり、出生数が減少します。

 

円安のトータルの経済への影響はどうなるのでしょうか。

 

機能性表示食品:

 

小林製薬健康被害問題で、規制緩和によって導入された「機能性表示食品」が被害を拡大させたとの指摘が出ています。

 

「機能性表示食品」の規制を強化すべきであるという主張があります。

 

「機能性表示食品」は、医薬品ではありませんので、無ければ、健康が維持できない性質のものではありません。

 

「機能性表示食品」の規制を強化すれば、それには、より多くの税金を投入する必要があります。

 

「機能性表示食品」の規制を強化すれば、それは、将来の消費税増税のリスクを増加させ、その結果、経済成長が阻害されます。

 

将来の経済成長を阻害するリスクを増大させてまで、「機能性表示食品」の規制を強化するメリットはあるのでしょうか。

 

解雇規制:

 

年功型雇用では、解雇規制があり、解雇すると裁判で負けます。

 

その結果、仕事をしない窓際族が増えます。

 

窓際族の給与は、他の人の働きで稼いでいることになるので、平均給与がさがります。

 

解雇規制の結果、労働市場がないので、スキルにみあった給与の仕事はありません。

 

トータルで考えれば、解雇規制は、労働者の賃金を引き下げて、経済的な不利益になっているように見えます。

 

解雇規制に問題はないのでしょうか。

 

問題は解雇規制ではなく、退職金や、スキルアップのサポートではないでしょうか。

 

年金:

 

厚生労働省のHPには、賦課金方式の年金と積み立て方式の年金について、一長一短であるとかかれていますが、その根拠となるエビデンスは示されていません。

 

現在の年金は、賦課金方式ですが、既に、賦課金方式の財源は枯渇して、税金が投入されています。

 

この事実は、賦課金方式の年金は、積み立て方式の年金に比べて、持続可能性がないことを示しています。

 

賦課金方式の年金は、トータルで考えれば、間違いではないでしょうか。

 

ルソー流の自然状態を想定して、積み立て方式の年金を考えます。

 

所得分布が、パレート分布であると仮定します。

 

これは、上位20%の富裕層、中間60%の中間層、下位20%の貧困層から所得分布が形成されているというモデルです。実際の所得分布は、パレート分布ではありませんが、基本的な年金のアイデアを点検するのであれば、パレート分布で十分です。一般には、富裕層の数は、貧困層の数より少なくなります。

 

中間60%の中間層は、年金を自分で積み立てて、自分で使うと思われます。

 

下位20%の貧困層は、年金を自分で積み立てられませんので、富裕層からの所得移転によって、最低限の年金を確保することになります。

 

上位20%の富裕層は、社会的安定のために、下位20%の貧困層への所得移転に合意します。

 

おそらく、持続可能な年金は、こんなイメージになっているはずです。

 

このモデルのポイントは中間層が、「年金を自分で積み立てて、自分で使う」点にあります。

 

この前提が崩れていると、年金は、持続可能ではなくなります。

 

現在の年金は、持続可能と言えるのでしょうか。

 

8)わかったふり

 

アベノミクスは、円安政策でした。

 

10年で、名目の円の価値が半減しました。

 

ドル換算の日本の株価は、半額になりました。

 

日本人の円資産は、ドル換算(基軸通貨)では、半分になりました。

 

株価があがっても、日本の一人あたりGDPOECDの最下位に近づいています。

 

これは、円安を誘導したので、当然の結果です。

 

金融緩和政策には、出口戦略が無いと指摘されてきました。

 

このような批判があった場合、自然科学の世界では、エビデンスをもとに説明するルールになっています。

 

10年前に、政府は、わかったふりをしていました。

 

政府は、エビデンスをもとに説明できませんでした。

 

現在、政府は、円安からの出口戦略がありません。

 

政府は、「行き過ぎた円安」でわかったふりを続けています。

 

政府は、中抜き経済が持続できると思っているように見えます。

 

政府は、本当のところ経済学(連立微分方程式)がわかっていないように見えます。

 

ここ10年、金融緩和は世界的な流行になりました。

 

経済学を、連立微分方程式で考える限り、経済学に流行はあり得ません。

 

経済学に流行があると思っている人は、連立微分方程式が理解できない人です。

 

副作用や波及効果を含めたトータルな政策の効果については、政府は、何も理解していないのではないでしょうか。