ブロック経済と戦争

ブロック経済化は、戦争リスクの高まりです)

 

1)日本とウクライナ

 

1月10日、中国、日本人のビザ発給を停止しました。

 

岸田文雄首相は13日(日本時間14日未明)、米ワシントンのホワイトハウスでバイデン大統領と会談しました。日本政府が保有を決めた反撃能力(敵基地攻撃能力)の効果的運用に向け協力の強化を確認しました。台湾を巡る問題の平和的解決に触れ、中国の動向をけん制しました。バイデン氏は日本の防衛力の抜本的強化や外交的取り組みを評価しました。

 

これは、ウクライナ<=>日本、 ロシア<=>中国と読み替えれば、2022年の戦争とそっくりの状況です。

 

2014年クリミア危機の結果、クリミア半島の帰属はウクライナロシア連邦との間で現在係争状態にある。クリミア半島全域がロシア軍と親ロシア派によって掌握されています。

 

2014年になぜNATOが動かなかったのかは、疑問点ですが、2014年と2022年の間の大きな違いは、アメリカのアフガニスタン撤退です。

 

アメリカの軍事産業は、世界のどこかでアメリカが戦争をしていないとビジネスが継続できません。この点では、アフガンニスタンから、ウクライナにシフトしたと見ることもできます。

 

その先には、ウクライナから日本へのシフトの可能性も考えられます。

 

2)ブロック経済の構造

 

第2次世界大戦の前にも、ブロック経済化が進みました。ブロック経済化は、複数の国の経済的利害をグループ化するために、局所戦が、世界大戦に拡大するリスクが拡大します。

 

第2次世界大戦では、イギリスグループとドイツグループが、お互いにつぶしあいを行い、戦争の決着を決めたのは、アメリカの経済力でした。

 

経済力の視点で、現在のブロック化のグループを見ると、現在は、アメリカにつぐ経済規模の中国は、国際貿易の面では、アメリカをしのぐ影響力を持っています。

 

GDPの規模だけをみれは、アメリカが中国に対して圧倒的に有利ですが、国際貿易を通じてグループを作る力は、中国の方が上回っています。

 

しかし、中国は、今後、高齢化と少子化の影響を受けて、急速に経済力を低下させると思われます。

 

中国からの移民を制限していること、今後予想される世界的な少子化の進展によって、アメリカも、今後は、今までのような人口増加を維持できないと予想されています。

 

人口問題で、圧倒的優位にたっているのは、インドであり、それに次ぐのは、インドネシアです。

 

こう考えると、若い人口大国を取り込んだグループが、優位にたつと思われます。

 

現在のアメリカのIT産業は、インドと台湾の出身者が大きな役割を演じています。

 

中国の場合には、2004年頃から、高給を提示して、流出頭脳の呼び戻しを進めました。

 

したがって、人材がアメリカからインドに移動する可能性はあります。

 

モディ首相は、南の国をまとめる動きをしています。

 

3)経済と軍隊

 

ブロック経済化が進んでいます。

 

国際連盟は、ブロック化の対抗策でした。

 

国際連合安全保障理事会は、国際連盟の失敗を踏まえたブロック化の対抗策でした。

 

現在は、国際連合安全保障理事会は、ブロック化の対抗策としては、破綻しています。

 

つまり、国際連合安全保障理事会の決議は、実効力はなくなっています。

 

言い換えれば、いかなる決議案もナンセンスになっています。

 

中国には、軍隊中心の政治勢力と経済中心の政治勢力があります。

習近平政権になってから、軍隊中心派が、経済中心派を押さえつけています。

 

日本は、憲法の規定があり、軍事力が表面化しません。

 

しかし、過去10年の間に、市場経済原理が破壊されているので、(かくれ)軍隊中心派は、経済中心派を押さえつけています。

 

問題に対して、現金給付をすることは、市場経済を破壊しますので、(かくれ)軍隊中心派の論理です。

 

国際連合の国連軍は、安全保障理事会の軍隊ですから、安全保障理事会が分裂して場合には、国連軍は機能しません。

 

国際連合は、途上国援助という経済中心派が、軍隊中心派を抑制できるという前提の上になりたっています。

 

ところが、経済中心派は、急速に力を失っています。

 

途上国が、温暖化ガス対策の費用を、先進国が支払うべき当然の義務であると認定すれば、経済によるレギュレーションは力を失ってしまいます。

 

大筋では、世界中で、軍隊中心派が、経済中心派を押さえつけつつあります。

 

唯一の救いは、高度人材と資金の流出です。

 

軍隊中心派が、経済中心派を押さえつければ、人材は、流出し、経済は枯渇します。

 

資金は、軍隊中心派の国からは逃げ出します。

 

典型例は、北朝鮮です。

 

日本でも、高度人材と資金の流出をみれば、現状が把握できます。