3分割法の説明をみると、3分割以外は、良くないように読めますが、それは、正しくありません。
写真1と写真2は、主題が、画面の中央にありますが、違和感はありません。
主題は、画面の中央にありますが、建物は斜めの角度で撮影されていて、消失点があることが、違和感のない理由でもあります。
また、写真1と写真2では、前回述べた3分割線のルールを使っています。地面と空、あるいは水面と空の境界は3分割線にそっています。
写真3は、タンポポの種です。ここでは、主題に直線がなく、消失点はありません。
タンポポは中央にありますが、違和感はありません。
ここでは、背景が左右対称ではないこと、草のボケによって、空間的な広がりが分かることで、画像に立地感があります。
写真4は、写真3を、タンポポを中心に更に、トリミングしています。
ここまで来ると完全に、日の丸構図の欠点が出ています。
写真5は、バラの写真です。画面と主題の配置は、写真3に、似ています。
しかし、バラの花は明るい黄色で、背景は、暗い緑です。
その結果、写真5は、奥行きがなく、日の丸構図の弱点を抱えています。
写真4のように、水色の線で中央だけをトリミングすると、その欠点は、更に、拡大します。
以上のように、日の丸構図という言葉に捕らわれるよりも、画面にあるパーツを分析すべきです。
日の丸構図の弱点は、次の2つです。
(1)左右対称になると、粗が見えやすくなる。
(2)主題をある程度大きくトリミングすることは望ましいですが、主題をひき立てる背景(地)の部分がつぶれてしまうと、主題が逆に目立たなくなります。
写真1 日の丸構図 2022-09-10_cro_01