構図とクロップ(2)日の丸構図

3分割法の説明をみると、3分割以外は、良くないように読めますが、それは、正しくありません。

 

写真1と写真2は、主題が、画面の中央にありますが、違和感はありません。

主題は、画面の中央にありますが、建物は斜めの角度で撮影されていて、消失点があることが、違和感のない理由でもあります。

 

また、写真1と写真2では、前回述べた3分割線のルールを使っています。地面と空、あるいは水面と空の境界は3分割線にそっています。

 

写真3は、タンポポの種です。ここでは、主題に直線がなく、消失点はありません。

 

タンポポは中央にありますが、違和感はありません。

 

ここでは、背景が左右対称ではないこと、草のボケによって、空間的な広がりが分かることで、画像に立地感があります。

 

写真4は、写真3を、タンポポを中心に更に、トリミングしています。

 

ここまで来ると完全に、日の丸構図の欠点が出ています。

 

写真5は、バラの写真です。画面と主題の配置は、写真3に、似ています。

 

しかし、バラの花は明るい黄色で、背景は、暗い緑です。

 

その結果、写真5は、奥行きがなく、日の丸構図の弱点を抱えています。

 

写真4のように、水色の線で中央だけをトリミングすると、その欠点は、更に、拡大します。

 

以上のように、日の丸構図という言葉に捕らわれるよりも、画面にあるパーツを分析すべきです。

 

日の丸構図の弱点は、次の2つです。

 

(1)左右対称になると、粗が見えやすくなる。

 

(2)主題をある程度大きくトリミングすることは望ましいですが、主題をひき立てる背景(地)の部分がつぶれてしまうと、主題が逆に目立たなくなります。

 

写真1 日の丸構図

 

 

写真1 日の丸構図 2022-09-10_cro_01

 

写真2 日の丸構図



 

写真3 日の丸構図

 

 

写真4 日の丸構図

 

 

 

写真5 日の丸構図