オミクロン株の感染拡大リスクを考える~コロナウイルスのデータサイエンス(241)

前回、データを元に、コロナウイルスの検討をしたのは、2021/09/12でしたので、4か月振りの記事になります。

  • 9月第2週の東京都の感染者数のまとめ~コロナウイルスのデータサイエンス(240)2021/09/12

オミクロン株の感染が拡がっています。

オミクロン株は、感染力強いので、感染拡大は、容易には止まらないと思われます。

とはいっても、感染拡大のピークが、いつ頃きて、その時の一日あたり感染者数は、どのくらいになるのか、心づもりをしておくべきです。

そのために、既に、オミクロン株の感染拡大がピークを過ぎたと思われる英国のデータと日本のデータを比較してみようというのが、今回のテーマです。

データは、Our World Dataから、全世界の日感染者数のデータを入手し、その中から、英国と日本のデータを抽出しました。

最新のデータは、2022/01/13です。

処理は以下です。

なお、英国(United Kingdom)の感染者数がマイナスのデータが2件あり、マイナス符号を外しています。

1)日感染者数の7日間移動平均をつくる

2)1週間前との増加比を計算する

図1が、計算結果です。

プロットする前には、英国の波形と日本の波形のずれを見るつもりでしたが、計算結果は、全く予想外でした。

オミクロン株は、感染力が強いので、1週間前の感染者数より感染者数が増える比が、1より大きくなります。とはいえ、図1に見るように、2を越えることは稀です。

日本の感染者数の増加比が2を越えたのは、今回と2020年5月前の混乱期を除けば、2020年6月末、2021年8月上旬の2回しかありあません。英国でも、混乱期を除けば、2020年9月下旬の1回だけです。 この値が2であれば、1週間に2倍、2週間に4倍、3週間に8倍、4週間で、16倍になります。過去の増加率が2を越えたのは、瞬間だけですかた、1か月で16倍になったことはありません。

ところが、今回の増加率はピークでは、10を越えています。13日での4を越えています。

つまり、オミクロン株の感染増加は強いとは言え、英国との比べて、桁違いに、感染拡大が早いのです。

これには、抗原検査キットの配布などの影響も考えられます。

常識的に、考えて、増加比は2を切らなければ、医療崩壊する確率は9割を超えているでしょう。

ちょっと、危ないのではなく、このままの増加速度が続けば、ほぼ、アウトです。

例えば、感染しても、症状の出ない人は、感染者の治療を続けるなど、今までと別次元の対応が必要です。

  • Our World Data

https://ourworldindata.org/coronavirus/

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図1 英国と日本の1週間前との増加比