11都県に新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」を適用する方向で最終調整に入ったようです。
そこで、日本の現状を国際比較してみます。
コロナウイルスのデータサイエンス(241)では、1週間前との比をみました。
今回は、実効再生産数で、日英比較をしてみます。
日本のデータは、東洋経済オンラインにあります。
それ以外のデータは、CMMIDを引用します。
CMMIDは、「London School of Hygiene & Tropical Medicine」の研究所です。
The Centre for the Mathematical Modelling of Infectious Diseases (CMMID) at the London School of Hygiene & Tropical Medicine (LSHTM) is a multidisciplinary grouping of epidemiologists, mathematicians, economists, statisticians and clinicians from across all three faculties of LSHTM.
この2種類のデータは、更新されますので、最新のデータを確認してください。
とはいっても、データが動くと、説明しづらいので、ここでは、1月17日のグラフのハードコピーを引用して、比較します。
なお、この2つの推計方法は異なっていますが、以下では、大きな数字(有効数字1桁)では、差はないと考えて、説明します。
図1が、東洋経済のオンラインにある実効再生産数です。ピークでは、6近くありますが、17日でも、2.5あります。
図2は、英国です。3列目が、実効再生産数ですが、1.5を越えたことはありません。
なお、CMMIDは、パネルデータを用いて、予測もしています。予測のラインは、オレンジ色で書かれています。
図3は、世界の主要国の実効再生産数です。
アルゼンチンは一番大きいですが、2前後です。
これから、日本の2.5が如何に大きいかがわかると思います。
図4は、感染者数の実績と予測です。
アルゼンチンは、今後、感染者数が10倍に増える予測になっています。
日本の16日の感染者数は、25000人ですから、アルゼンチンと同じであれば、25万人程度の感染者数を予測する必要があります。
ただし、東洋経済のデータをみると、年始から、PCR検査人数が増えていること、PCR検査人数と検査陽性者数の間に、強い相関がみられることから、現在の検査陽性者数の増加には、PCR検査人数の増加が影響していると思われます。
2021/08の感染者数のピークは、25000人ですから、現在は、既に、同じレベルにあります。
2022/01/10の東京新聞では、1日の新規感染、5万人の可能性もあるとしています。
二木芳人・昭和大客員教授(臨床感染症学)はそう警告する。デルタ株による第5波のピークで、全国の1日の新規感染者は約2万6000人。二木氏は「今度は5万人はいく可能性がある」
東京大学の試算では、第6波の重症化率は第5波の5分の1と推計されています。
2022/01/14の東京新聞では、1月末に、感染者が、1万人を越えた場合、東京都の基準では、重症ベッド数は足りるが、国の基準では、重症ベッド数が不足すると推定しています。
全国の新規感染者数は、25000人を越えています。
PCR検査人数増加の影響が小さければ、5万人で止まる可能性は低いです。
具体的な数字を出して、対策シナリオを考えるべきです。
-「タカをくくってはならない」オミクロン株 専門家警鐘 重症化率低くても医療逼迫の懸念 2021/01/10 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/153287
第6波「オミクロン株」の重症化率は?第5波よりどのくらい低い?東大チームが推計してみると…<新型コロナ> 2021/01/14 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/154044
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
- National and Subnational estimates for the United Kingdom (CMMID)
https://epiforecasts.io/covid/posts/national/united-kingdom/
- Global summary (CMMID)
https://epiforecasts.io/covid/posts/global/
- Reproduction number (R) and growth rate: methodology