ETTRにするには、基本的には、標準露出よりも、プラス側に、露出を設定します。
そのプラスの量は、カメラのモニターのヒストグラムで確認することになります。
カメラのモニターのヒストグラムは、Jpegを基準にしています。保存するデータをJpeg 形式に設定した場合には、Jpegのヒストグラムを表すのは、当然ですが、RAWのみの保存設定にしても、モニターのヒストグラムは、Jpegに対応しています。このことは、予想外の問題を引き起こします。たとえば、デジタルカメラには、保存するJpeg画像の色空間を Adobe RGBとsRGBから選ぶ選択肢があります。この選択肢のどちらを選んでも、保存されるRAWデータに違いはありません。しかし、モニター上のヒストグラムが、Jpegに依存している限りは、ヒストグラムには、違いが発生します。このため、できるだけRAWに近い設定、ここでは、Adobe RGBを選ぶべきです。その他のJpeg設定も、できるだけRAWに近い設定を選ぶべきです。
次に、実際に、標準露光とのずれを確かめてみます。
写真は、撮影時の露光を変えています。
最初に、写真3を除く、写真1、2、4、5、6、7を見ます。
ヒストグラムで見ると、写真7は右が切れていますので、だめです。一つ前の写真6が、ETTRに一番近く見えます。写真には、RAWの白飛びを表示しています。写真6では、犬の前足の所に赤い点が見えます。ここだけが白飛びしてます。
この赤い点を無視すれば、ETTRは標準露光より+1.3EV、赤い点を避けるのであれば、+1.0EV になります。
次に、写真3ですが、これは、標準露光で、撮影した画像に、darktable上で、露光を増やしていって、ヒストグラムが、右による露光の増加分を求めています。+2.38Vで、ヒストグラムが、ほぼ右に達しています。
この+2.38EVと、上記の+1.3EV には、1EVくらいの差があります。しかし、写真3の方が、写真6より、明るく見えます。
そこで、写真8では、 +1.7EVと 0.0EV+2.38EVを比べていますが、やはり、右の方が明るいです。
このずれは、撮影条件が正確一致しないために起こったと考えられます。
写真9は、標準露光に対して、ー0.3EVで撮影しています。右上の窓の部分と窓が床に反射している部分では、白飛びが起こっています。
写真10では、+1.0EVで、撮影しています。ここでは、犬の白い毛の部分も白飛びしています。
つまり、+1.0EVでも、露光がオーバーで、ヒストグラムでも確認できます。
スペンサーコックスさんは、D800Eでは、ここで示したような、テストをして、+ 3の露出補正が最適と判断しています。この見つけた値から-1/3または-2/3の露出補正を決定するのが最善して、安全を見て、+ 2.3の露出補正が理想的であると判断しています。
スペンサーコックスさんのカメラはフルサイズです。今回のサンプルはKiss-MのASP-Cのカメラですので、1EVくらいかなと思いました。確かに、写真1から8をみれば、+1EVでもよさそうに見えます。しかし、写真9と10では、+1.0EVでは、明らかにオーバーです。一筋では行かないようです。
なそ、カメラのモニターの画像上に、白飛びのマークができる機種も多いですが、これは、精度が悪くて、ヒストグラムの代わりには、なりません。
写真1 ー0.3EV
写真2 0.0EV
写真3 0.0EV+2.38EV
写真4 +0.7EV
写真5 +1.0EV
写真6 +1.3EV
写真7 +1.7EV
写真8 +1.7EV: 0.0EV+2.38EV
写真9ー0.3EV
写真10 +1.0EV
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Exposing to the Right Explained 2018/04/04 Photography life Spencer Cox
https://photographylife.com/exposing-to-the-right-explained
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