トーンイコライザーの「マルチインスタンス+マスク」を、整理しておきます。
写真1は、フィルミックRGBのダイナミックレンジマッピングの図です。
もとのダイナミックレンジは+3.6-(ー9.4)=13EVあります。これを、Jpegであれば、8EVに圧縮します。ダイナミックレンジマッピングはその対応を示した図で、フィルミックRGBではS字型の変換曲線の形で、この対応関係を整理します。
トーンイコライザーに、「マルチインスタンス+マスク」を導入した場合、トーンイコライザーのインスタンスには、マスク1と写真1のダイナミックレンジマッピングを、トーンイコライザイー1のインスタンスには、マスク1の反転マスクと別のダイナミックレンジマッピングを適用することは可能です。
写真1では、プリセットのフィルミックRGBの曲線を使っています。
写真2は、フィルミックRGBの曲線を変化させたときのダイナミックレンジマッピングです。
ダイナミックレンジマッピング、つまり、フィルミックRGBの曲線は、露光の影響をうけません。
写真3は、写真2に比べ、露光を下げています。そのことは、写真2と写真3のヒストグラムを比較すればわかります。
ついでに、フィルミックRGBの効果を確認しておきます。
写真4は、シーン参照ワークフローで自動現像した写真です。これは、明らかに、露光不足です。
写真5では、露光のスライダーを右に振っています。画像の露光不足は改善されていますが、ヒストグラムをみると、右が切れています。つまり、Jpegで白飛びを起こしています。
写真6は、フィルミックRGBで、ダイナミックレンジを変更しています。そのあとで、露光を調整しています。ヒストグラムは、右も、左も、切れていませんので、白飛びも、黒飛びもありません。画像をみれば、露光不足ではありません。
写真7は、今回のテスト画像です。
写真8は、トーンイコライザーで、太陽の周辺を除いたパラメトリックマスクを作っています。
写真9は、トーンイコライザーのマスクを表示しています。
写真10は、トーンイコライザーの露光マスクを表示(display exposure mask)しています。
写真11は、トーンイコライザーで、ゾーンごとの露光を調整しています。
写真12は、新しいインスタンスのトーンイコライザー1をつくって、トーンイコライザーのマスクをラスターマスクで参照して、反転マスクをして、ゾーンごとの露光を調整しています。
描画マスクは、新しいインスタンスから、描画マスクとしても、ラスターマスクとしても参照できます。
一方、パラメトリックマスクは、ラスターマスクとしてしか、参照できません。
このため、写真12では、トーンイコライザイーのマスクを、ラスターマスクとして、参照して、反転させています。また、ラスラーマスクとして、参照した場合には、黄色で、マスクのチェックができません。
写真13は、太陽の部分が、ピンク色になったのを、補正しています。
写真14は、最終画像です。
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