東京都のコロナウイルス感染者数の短期予測~コロナウイルスのデータサイエンス(223)

東京都のコロナウィルスの感染者数が、連休で検査数が減ったリバウンドで、増えてしまい冷静に判断できなくなっています。そこで、ここでは、連休前の状況に戻って、短期予測をしてみます。

2021/07/29の スポーツ報知は、次の東京都の専門家の試算を紹介しています。


 専門家は、現在の増加比約153%を1週間継続すると、8月4日には1日当たりの新規感染者数の7日間平均が約2962人、2週間継続すると東京五輪閉幕後の11日には約4532人に上るとの試算を公表。


図1は、1週間の増加率の継時変化です。

オリンピックまえには、1.6まで上昇しています。筆者は、このグラフから、増加率165%を基準に考えていました。赤い線がトレンド線です。オリンピックに入る前の1週間の平均値は、1.5でした。図1に、見るように、オリンピックに入ると、この値が1.35まで低下しました。しかし、陽性率は増えていて、その原因は、検査数の減少にあります。連休明けに検査が集中すれば、リバウンドが起こります。

図2には、当初は、7月24日の感染者数もとに、1週間の増加率を推定するために、作ったモデルです。24日は、検査数が少なく、このモデルは使えませんでした。

7月31日は、明日ですから、今日、明日の感染者数がわかれば、モデルの増加率のチェックができます。

図1に見るように、増加率は、再び増加傾向にあります。最新は1.6です。これから見ると、1.53(153%)は小さすぎると思われます。ここでは、1.65と1.7(1.65+0.05)の増加率を仮定して、感染者数を逆算してみます。

図3が、1.65の場合で、図4が、1.70の場合です。

図2から、31日の7日間平均感染者数を求め、29日と31日のデータから、30日の7日間平均感染者数を内挿します。ついで、これに合うように、30日と31日の感染者数を逆算します。

結果は以下です。

 増加率 1.65 1.70

7月30日 3290 3990

7月31日 2878 3928

これから、連休で検査が減ったリバウンドの効果は、解消され、3000から4000人程度にいったん落ち着くと思われます。

もちろん、そのあとは、また、徐々に増加するでしょう。

なお、8月10日の増加率1.65のモデル推定値は、5296 で東京都の11日には約4532人よりは多くなります。

 

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図1 7日平均感染者の1週間の増加率

 

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図2 7月17日基準のモデル

 

 

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図3 増加率1.65の場合

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図4 増加率1.7の場合

 

  • 都専門家「経験のない爆発的な感染拡大に向かっている」…五輪閉幕後に1日4532人試算 2021/07/29 スポーツ報知

https://hochi.news/articles/20210729-OHT1T51157.html

 

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