コンデジとレンズ交換式カメラを比べると、コンデジの方が画像がくっきり見えることが多いのですが、その理由に、コンデジの場合には、アンシャープネスマスクが強くかかっているからで、画質はよくないといわれることがあります。
また、アンシャープネスマスクは強くかけるべきではないとか、写真は、画像編集ではなく、レンズの特性を生かすべきであるという人もいます。極端な場合には、レンズ補正は、よくないという人もいます。
しかし、デジカメの写真は、全て、画像処理が前提で出来上がっていますから、レンズ補正をかけない、アンシャープネスマスクをかけないのは本来の画質であるという主張には根拠はなく、自己満足にちかいと思われます。
つまり、筆者は、そして、darktableの開発チームも同じだと思いますが、RAW現像は、「画像が劣化しない」、「画像が不自然にならない」範囲では、効果をねらってかまわないと思います。
さて、今回は、問題のアンシャープネスマスクを他の手法と比較してみました。画面の左が元の画像で、右が処理した画像です。darktableの場合には、アンシャープネスマスクは、sharpenモジュールが相当します。
写真1は、sharpenモジュールです。画像が劣化すると言われていますが、あまり、変化がなく、拍子抜けした感じです。
写真2は、ローカルコントラストです。これは、エッジを立てるよりも、コントラストで、立体感を出す方法ですが、かなり効果があります。
写真3は、ヘイズ除去です。建物にはあまり効いていない感じで、むしろ、雲の部分に効果があるように見えます。
写真4は、コントラストイコライザーです。このモジュールは、非常に強力で、屋根もとがった感じになります。
写真5は、ハイパスフィルターですが、あまり、効いているとは思えません。
まとめ。
実際に、いつもは、sharpenモジュールは使いません。比較するまでは、sharpenモジュールがきつい効果を出すと予想していましたが、結果は、逆で、あまり効きませんでした。
こうした比較では、対象の画像により、結果が異なりますので、一概にはいえませんが、建物の場合には、sharpenを使うメリットはないと思われました。もう少し、画像を変えて、検討する必要がありそうです。
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