YouTubeの時代

YouTuberが、子供の人気の職業になって、ずいぶん時間がたちます。

wikiによれば、次のようになっています。


ドイツのオッフェンブルク大学のマティアス・バルトル教授の調査によると、「広告収入で生計を立てることを企てるユーチューバーの96.5 %が平均的なアメリカの貧困ラインを下回る収入しか得られない。再生回数が上位3 %の人気ユーチューバーは1か月の再生回数が140万回を超えるが、それでも平均年収は16,800ドルであり、アメリカの貧困ライン収入12,140ドルをかろうじて上回る程度だ」としている。


つまり、YouTuberでは食べていけないと言われています。

しかし、この比較は、現在の食べていける仕事が、いつまで同じようにあるという前提で比較しています。簡単に言えば、YouTubeは、現在のYouTuber以外の仕事に影響を与えないという暗黙の前提があります。問題は、この暗黙の前提は正しくないということです。

このブログでは、darktableというRAW現像ソフトを扱っています。

darktableは、フランスの Aurélien PIERREさんが、中心に開発しています。2021年7月の3.6のリリースから、ソフトウェアとマニュアルのバージョンが一致しました。darktableのような、GPLのソフトでは、ソフトウェアのバージョンアップに、マニュアルがついていけないことも多いので、これは、画期的なことです。とはいえ、日本語版のマニュアルがありませんし、マニュアル以外の解説本は皆無です。darktable入門は、2011年につくられた英文のものがありますが、当時のバージョンは、0.8でしたので、3.6とは、ギャップが大きすぎます。

2019年まで、darktableのメジャーバージョンアップは、年に1回でしたが、2020年から、7月と12月の年に2回、メジャーバージョンアップをしています。この変化の速度についていけているのは、マニュアルだけです。あとは、文字情報は、WEBのフォーラムしかありません。

開発者の Aurélien PIERREさんは、YouTubeに、解説動画を登録していますが、英語とフランス語は半分ずつくらいで、長さは、70分くらいが多いです。 Aurélien PIERREさんは、darktableの操作に熟達していますから、マウスの操作が速いうえに、長時間フランス語につい行くのは容易ではありません。

英語で、darktableの解説を連載で行っている人は3人いて、どれも1回は、10分から30分程度です。聞いてみると、緊張が継続するのは、この程度の時間が限界であることがわかります。

4人の読者登録人数は以下です。

Aurélien PIERREさん 4100人

Robert Huttonさん 4170人

Bruce Williamsさん 1.03万人

Rico Richardsonさん 1.08万人

YouTuberの中では、読者数は決して多くありません。

ただし、話にならないほど、少なくはないと思います。

カメラ雑誌はほとんど、廃刊しました。YouTubeは宣伝を我慢すれば無料で見ることができます。

英語の3人の解説は、Aurélien PIERREさんのような開発者ではないので、危ういところもありますが、3人分を見れば、大きな間違いは避けられます。

オンデマンドの動画を、頻繁に更新してみることができるというのは、今までにないメディアです。特に、発信者が個人であれば、動画作成の時間的な負担は、文字データより、小さいと思われます。

2021/07/12の日経によると文部科学省は、テストをパソコンで行うと発表したらしいです。


小6と中3全員を対象に毎年行う「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)のあり方を話し合う文部科学省有識者会議は12日、パソコンを使った新方式について、早ければ2025年度にも中3から導入すべきだとの提言をまとめた。


このどこがニュースになるのか理解できません。

学校の授業や、教科書は、darktableのように、半年ごとにバージョンアップする知識にはついていけません。7月3日に、darktableの最新版である、3.6が公開されました。3人のdarktableのYouTuberは、3.6のテスト版(3.5)をつかって、改定にあわせた動画を作成して、最新版の公開から、1、2日で、新しい機能解説をアップロードしています。「早ければ2025年度」という表現を見るとめまいがしてきます。そもそもテストは、受験者の弱点を改善することが出来なければ、学力向上にはつながりません。全国学力テストのように、受験者へのフィードバックを考えていないテストは、まともとはいえません。

最新の知識伝達の手法として、YouTubeは強力です。コストを考えると、紙の情報が減るのはやむを得ないと思われます。写真雑誌が廃刊したように、YouTubeは、学校の授業や講習会を次々に侵食していき、2025年度には、授業や講習会は、残りが少なくなっているはずです。

 更に、Zoom、Moodleの利用などの加速要因もあります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/YouTuber

  • パソコン学力テストは25年度以降 中3先行、文科省会議 2021/07/12 日経

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE128HZ0S1A710C2000000/

 

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