Tone equalizerのエラー表示の対応

Color calibrationと並んで、エラーは表示されるが、動くのでそのまま使ってしまう問題が発生するモジュールに、トーンイコライザーがあります。

トーンイコライザーモジュールには、3つのタブがあります。

advancedタブを表示したときに、写真1の赤丸で囲ったオレンジ色の三角にびっくりマークのアイコンが表示されます。日本の交通標識では、オレンジ色にびっくりマークは、「その他の危険に注意」の意味ですが、標識の形は三角形ではなく、四角形です。ヨーロッパの交通標識は、写真1と同じ三角形ですが、赤い色の枠がついています。写真1のびっくりマークが意図するところは、交通標識と同じで、注意しろという意味です。

今回のテーマは、このびっくりマークの意味と対処の仕方です。

写真1のトーンイコライザーの中央にヒストグラムがあります。

トーンイコライザーは、中心のEVをずらした露光モジュールを重ねたものですが、合成するときに、つなぎ目ができないようにフィルターをかけています。

トーンイコライザーの中央のヒストグラムは、このフィルター効果を表しています。

写真1のヒストグラムを見ると、赤い四角で囲んだ右の部分が切れています。びっくりマークは、ヒストグラムの右が切れているから注意しろという意味です。

写真2は、maskingタブです。ここでは、マスクの設定をします。

mask-post processingの下にグレーの長方形が見えます、この長方形は、写真1のヒストグラムの80%の範囲を示しています。長方形の右の赤丸で示した部分にオレンジ色の線が見えますが、この部分は写真1のヒストグラムの右が切れている部分に対応しています。

この長方形はスライダーではないので、マウスで操作はできません。長方形を移動させるには、長方形の下にある

mask exposure compensation

mask contrast compensation

を使います。

mask exposure compensationを左に動かすと長方形が左に、

mask exposure compensationを右に動かすと長方形が右に、

動きます。

mask contrast compensationを左に動かすと長方形の幅が狭くなり、

mask contrast compensationを右に動かすと長方形の幅が広くなり、

ます。

写真3では、長方形を左に動かしています。ここでは、写真2で表示されたオレンジ色の線は消えています。

写真4、5、6は、写真1、2、3と同じ現象ですが、マスクのヒストグラムの右ではなく、左がきれた場合です。写真を見ればわかりますので、説明は省略します。

写真7は、理想的なマスクの説明です。理想的なマスクは、赤い矢印のように、ヒストグラムが左右に広がり、かつ、両端が切れない状態だそうです。これは、 mask exposure compensationとmask contrast compensationを調整することで作ることができます。

写真8は、マスクのレンジではなく、形状を調整するパラメータの説明です。長方形の上にあるスライダーはマスクの形状を決めるパラメータです。マスクは、写真9の赤丸でかこんだマスク表示アイコンで、確認できます。写真8のスライダーは、実際に操作してみれば、わかります。注意点は、写真8の赤丸で囲んだスライダーです。このスライダーは整数の値だけをとりますので、スライダーはスムーズに動きません。一瞬、ハングアップしたような、反応になります。マウスのポインターを離れた位置にもってくれば、普通に操作できます。

この解説は、Bruce WilliamsさんのYou tubeを参考に書いています。Bruce Williamsさんによると、Luminanceのマスクは、Lightroomでは、標準装備ではなく、サイドパーティの有償のプラグインを入れる必要があるそうです。この理解は正確ではないかもしれませんが、darktableのマスク機能は充実しているので、習得することをお勧めします。

今回、古い画像をサンプルに使ったので、ヘイズ処理をかけたままで、処理しました。しかし、トーンイコライザーのマスクを工夫すれば、ヘイズ処理と同じようなことが、より画像の劣化がすくなくできそうに思われました。

また、描画マスクと、パラメトリックマスクを併用するタブには、問題があるとAurélien PIERREさんが言っているので、そのうち、バージョンアップすると思われます。

なお、Aurélien PIERREさんのYou Tubeはフランス語版と、英語版があります。フランス語版に自動翻訳で、英語の字幕を付けることは容易で、快適です。しかし、英語版に英語の字幕を付けることができないことがわかりました。You tubeは、Aurélien PIERREさんの英語の動画をフランス語と自動判定して、英語を話しているにも関わらず、フランス語として識別してしまいます。字幕を英語にすると、自動翻訳モードになり、使えません。Aurélien PIERREさんの英語は聞き取りにくいです。今までは、フランス語版のYou tubeは、わかりにくいので、英語版が出るまでまって、解説を聞いていたのですが、今後は、フランス語版を中心に聞いてもよいと感じています。

 

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写真1

 

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写真2

 

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写真3

 

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写真4

 

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写真5

 

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写真6

 

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写真7

 

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写真8

 

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写真9

 

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