東京オリンピックの観戦リスクと感染リスク

長野弘子氏が、コロナウイルスの6月21日現在の7日累計の10万人あたり感染者数を表1のように比較し、ワクチンの接種が広がったアメリカでは、感染者が減っているとはいえ、日本よりまだ多いといっています。

表1で見れば、確かに、アメリカは、日本の3倍くらいあります。

そうすると、来日者の人口当たり感染割合も、日本国内の3倍あるのかと考えました。来日者数を見ると、推定は、9万人でした。

9x3=27なので、この来日者による感染者数の増加効果は、日本人の人口換算にすれば、27万人になります。

一方、東京都の人口は、1396万人ですから、27万人は、1.93%になります。

そう考えると、来日者に感染者がいて、感染者が増えても、東京都には、大きな影響はないように思われます。

そこで、念のために、東京都の10万人あたり感染者数を確かめました。

6月24日の東京都の7日移動平均の感染者数は、439.6人です。7日累計にするには、7倍します。

東京都の人口は、1396万人です。10万人あたりを求めるには、139.6で割ればよい訳です。

439.6x7/139.6=22.04

つまり、東京都の10万人口当たり感染者22.04人で、アメリカの24.1人と大きく変わりません。

ですから、9x3=27万人は間違いで、換算しても9万人増加になります。これは、0.6% になり、変異株のリスクがなければ、東京都の医療体制に大きな負荷にはなりません。

もちろん、事故対応がスムーズにできるか否かは別問題ですが。

今度は、日本全体を見ます。

6月23日日本の感染者は、1779人です。7日累計は7倍です。

日本の人口は、1,2311万人です。

東京都を除く7日累計感染者数は以下です。

1799x7-439.6x7=9519.8人

東京都を除く人口は、以下です。

1,2311万人-1396万人=1091.5x10万人

9519.8/1091.5=8.72

この数字は、表1の日本とあっています。

東京オリンピックによるコロナ感染リスクは次の2つです。

  1. 来日者による感染拡大

  2. 観戦者による感染拡大

観戦者が日本中から来た場合、2.が1.を、上回ることになります。

つまり、尾身会長の「東京五輪『無観客』が最もリスク少ない」という提言は、こんな単純な数字からも確認できます。そして、その場合の感染拡大のリスクは。東京都ではなく、地方になります。

 

 

       表1 7日累計感染者数の比較(6月21日)    

感染者10万人あたり7日累計
日本 8.05
アメリ 24.1

 

https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/nagano/2021/06/post-16.php

  • オリパラ関係者の来日は「9万人以下」 組織委総長 朝日新聞 2021/05/13

https://www.asahi.com/articles/ASP5F73Y5P5FUTQP01S.html

  • NHK特設サイト

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

  • 都内の最新感染動向

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

  • 「観客上限数、私たちの提言はほとんど反映されなかった」「心を病んでしまった専門家、距離を置くようになった専門家も」“専門家有志の会”メンバーが明かす政治との“距離” Ameba Times 2021/06/22

https://news.yahoo.co.jp/articles/8fba64c7143726bd1e537339000728a060846579

  • 東京五輪「無観客」が最もリスク少ない 尾身会長ら専門家有志が提言 BBC 2021/06/19

https://news.yahoo.co.jp/articles/734fa987702e1b1759ff1de9e24f8467b96f4244

 

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