darktable3.4のモノクロ編集のまとめ

書いていた小説がだいぶ出来上がったので、プリンターで印刷して、チェックしています。プリンターは、古いエプソンのPX-5600です。原稿は文字が99%ですが、カラー画像が4枚だけ入っています。

プリンタをカラー設定で印刷したところ、画像がカラーになるのは、当然ですが、本来黒くなるはずの文字が一部で茶色くなりました。これでは、カラーインクが減ってしまうので、Googleドキュメントで、印刷をカラーから白黒に変更しました。もっとも、PX-5600にはモノクロモードがないので、グレースケールに変更されます。その結果、文字に色がつくことはなくなりました。そこで、驚いたのは、グレースケールで印刷された画像です。カラーの時より、解像度が上がった上に、中間トーンがきれいになっています。

つまり、インクジェットプリンタで印刷するのであれば、モノクロ写真は、表現の自由度が高いことになります。

そこで、モノクロ画像の作成について、まとめておきます。

darktable3.0では、モノクロ画像を作るモジュールには次の2つがありました。

この時代には、モノクロームよりもチャンネルミキサーを使うことが推奨されていました。

darktable3.4では、モノクロ画像を作るモジュールには次の3つがあります。

今度は、チャンネルミキサーが廃止予定です。とはいえ、これは、カラーキャリブレーションの中に、チャンネルミキサーの機能が含まれたためです。

写真1のグレイタブが、チャンネルミキサーに相当します。問題は、RGBの値ですが、カラーキャリブレーションのマニュアルに「Table of mixing values for some b/w films」がのっていますのでこれを参考にします。

写真2は、AGFA 200Xのパラメータを設定したものです。

グレイの作成は、赤目補正でも使います。現在の「Removal of red-eye effect」では、カラーキャリブレーションが使われていますので、カラーキャリブレーションのグレイタブに読み替えれば、同じことができます。

 

Table of mixing values for some b/w films

Classic black and white films have different characteristic color responses. Select gray as output mixing channel, and try out the values suggested below for your favorite film type.

Film Type Red Green Blue AGFA 200X 0.18 0.41 0.41 Agfapan 25 0.25 0.39 0.36 Agfapan 100 0.21 0.40 0.39 Agfapan 400 0.20 0.41 0.39 Ilford Delta 100 0.21 0.42 0.37 Ilford Delta 400 0.22 0.42 0.36 Ilford Delta 3200 0.31 0.36 0.33 Ilford FP4 0.28 0.41 0.31 Ilford HP5 0.23 0.37 0.40 Ilford Pan F 0.33 0.36 0.31 Ilford SFX 0.36 0.31 0.33 Ilford XP2 Super 0.21 0.42 0.37 Kodak T-Max 100 0.24 0.37 0.39 Kodak T-Max 400 0.27 0.36 0.37 Kodak Tri-X 400 0.25 0.35 0.40 Normal Contrast 0.43 0.33 0.30 High Contrast 0.40 0.34 0.60 Generic B/W 0.24 0.68 0.08

 

  • 3.4.2.18. Channel mixer

https://darktable.gitlab.io/doc/en/grading_group.html

  • 3.5.4. Removal of red-eye effect

https://darktable.gitlab.io/doc/en/red_eyes.html

 

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写真1 カラーキャリブレーションのグレイタブ

 

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写真2 カラーキャリブレーションのグレイ設定