カラー・キャリブレーションの説明の訂正

カラー・キャリブレーションの説明は、

初めてのdarktable3.4(10)

で、CCTの説明を行っています。

ただし、表1に間違いが見つかったので、訂正と補足をしておきます。

まず、表1ですが、customの位置が違っていて、daylightなどと同列のカテゴリーに属します。

この構成は、写真1で確認できます。

次に、以下の引用で、「破壊的」と「非破壊的」という表現が出てくるので、この部分を実例で補足して、説明します。

写真2は、画像を、シーン参照モードで、呼んだ場合です。ここでは、daylightになっています。ここで、ピッカーを使った結果が、写真3です。写真3では、customになっています。

問題は、この場合の処理です。

1.CCTの数値は無意味だが、このまま使う。

2.daylightに設定し、ピッカーを使わずに、マニュアルで色温度を調整する。

3.カメラの値にする。

4.daylightに設定を戻して、範囲を変えて、ピッカーをつかう。

の4種類が考えられます。

「カスタム(custom)からdaylightとblach body以外の光源への切り替えは破壊的」

というのは、4.の場合を指すものと思われます。

こう考えると、少しは、説明が理解できると思います。

 

以下は、前回の説明からの引用です。


 

カラーパッチの左側には、 CCT (相関色温度)の近似値があります。これは、現在使用されている光源にケルビン単位で最も近い温度です。ほとんどの画像処理ソフトウェアでは、温度と色合いの組み合わせを使用してホワイトバランスを設定するのが通例です。ただし、光源が日光から遠く離れている場合、CCTは不正確で無関係になり、CIE(国際照明委員会)はそのような状況での使用を推奨しません。 CCTの読み取り値は、最も近くに見つかったCCTの一致値を意味します。

  • CCTの後に(昼光 daylight)が続く場合、これは、現在の光源が理想的な昼光スペクトル±0.5%に近いことを意味し、したがってCCTの数値は意味があります。

  • CCTの後に(黒体 black body)が続く場合、これは、現在の光源が理想的な黒体(プランク Planckian)スペクトル±0.5%に近いことを意味し、したがってCCTの数値は意味があります。

  • CCTの後に(無効 invalid)が続く場合、これは、昼光または黒体の光スペクトルから遠すぎるため、CCTの数値が無意味であり、おそらく間違っていることを意味します。

上記の光源検出方法のいずれかを使用すると、プログラムは2つの理想化されたスペクトル(昼光と黒体 daylight and black body)を使用して計算された光源がどこにあるかをチェックし、光源 (illuminant)パラメーターで使用する最も正確なスペクトルモデルを選択します。ユーザーインターフェイスはそれに応じて変更されます。温度スライダーは D(昼光 daylight)Planckian(黒体 black body)に提供され、CCTは意味があります。それ以外の場合は、CIELuv空間の一般的な色相(hue)と彩度(chroma)のスライダーがカスタム(custom)光源用に提供されます。

カスタム(custom)光源から、たとえば、D(昼光 daylight)光源に切り替えると、カスタム光源から最も近いCCTが転送され、昼光モデルによって使用されます。 カスタム光源を使用しているときに(昼光)タグがCCT読み取り値に表示された場合、この変換はほとんど非破壊的(±0.5%)です。同じことが プランク Planckian(黒体 black body)光源にも当てはまります。任意の光源からカスタムへの切り替えは、元の設定に関して100%非破壊的です。 カスタム(custom)から他の光源への切り替えは破壊的であり、CCTの読み取り値が(無効 invalid)としてタグ付けされている場合はおそらく不正確です。

他のハードコードされた光源( illuminants)が利用可能です(以下参照)。その値は標準のCIE光源から得られた絶対値です。シーンを照らすために使用された電球の種類が正確にわかっていて、カメラの入力プロファイルと参照(D65)係数が正確であると信頼できる場合は、これらを直接使用できます。

光源検出モードは、最適なCAT色空間も設定します。 線形ブラッドフォード (linear Bradford) CAT空間は、2800 K〜6500Kの昼光および黒体光源に対してより知覚的に正確であることが知られています。 CAT16空間は、青色光などの難しい光源に対してより良い範囲を保持することが知られています。

 

表1 光源(illuminant)選択メニュー

  • custom

    • same as pipeline (D50)

    • A (incandescent)

    • D (daylight)

    • E (equi-energy)

    • F (fluorescent)

    • LED (LED light)

    • Planckian (black body)

    • custom

  • (AI) detected from image surface..

  • (AI) detected from image edges..

  • as shot in camera

 

  • 初めてのdarktable3.4(10)2021/01/13

https://computer-philosopher.hatenablog.com/entry/2021/01/13/000000_1

 

f:id:computer_philosopher:20210409192314j:plain

写真1 カラーキャリブレーションのサブメニュー

 

 

f:id:computer_philosopher:20210409192335j:plain

写真2 daylight

 

 

f:id:computer_philosopher:20210409192353j:plain

写真3 custom