パナソニックのiA+・フィルターモードとRAW画像

darktableで写真を編集していると、画像データはRAWで保存することになります。特に、シーン参照ワークフローでは、白飛びしなければ、後で補正が効くので、いつもは、-0.7EVに露光を変更して撮影しています。こうなると、Jpegは露出不足で使えないので、ここ1年ほどは、Jpegを使うことはやめて、全て、RAWだけで画像を保存しています。

PSAMなどの4モードを使う場合には、これで問題がないのですが、恐ろしいのは自動モードです。前回、キャノンのKiss MでHDRモードを使うと、3枚撮影したRAW画像は全て保存されず、合成されたJpeg画像が1枚だけ保存されることを示しました。この時に、4モードでの画質はRAWにしてありますが、それは無効になります。キャノンの場合には、HDRだけでなく、自動モードでも、強制的に画質がJpegになります。撮影に余裕のある時は、4モードを切り替えて、最適な写真をとればよいのですが、余裕のない場合もあります。例えば、運河や川を移動している遊覧船から写真をとる場合など、船が橋の下をくぐるときに、光線が一瞬にかわりますし、先を読むことも難しいです。この場合には、プログラムモード(Pモード)を使うか、自動撮影モードを使うしか手がありません。Kiss Mの場合には、自動撮影モードでは、強制的にJpegになります。パナソニックのLX-100もインテリジェントオートモードがついていますが、これを使うと、画質は強制的にJpeg になります。過去にこの2機種では、RAWで撮影したつもりが、Jpegになっていて、泣いたことがあります。

カメラにはマニュアルがついているのですが、そのマニュアルは、基本的には、Jpegを想定して書かれていて、RAW撮影がどうなるかは読んでもわかりません。

前回、Kiss MのHDR風モードを使ってみましたが、あまり、HDR風ではありませんでした。そこで、今回は、m4/3で、HDR風の撮影を試してみることにしました。手元にあるのは、パナソニックDMC-GF7とオリンパスのPL-6です。とちらのHDR風もキャノンのように連射して画像合成するのではなく、ワンショットを編集するだけです。オリンパスHDR風はかなり、いじった感じの画質になることがわかったので、パナソニックHDR風(ハイダイナミックフィルター)を使ってみることにしました。パナソニックは以前、LX-100でインテリジェントオートにしたらRAWが強制的にJpegになってしまったので、事前に、DMC-GF7のインテリジェントオート(iA+)で撮影した画像を再生してみたところ、RAWで撮影できていることがわかりましした。つまり、LX-100とは動作が異なります。

最初は、Kiss Mと同じように、PモードとHDR風フィルターを比較する予定だったのですが、iA+でRAWが撮れるのであれば、iA+とHDR風を比較すればよいことになります。レンズは、45㎜の単焦点を使っています。

撮影データは以下です。

iA+  F13、ISO200,1/500sec、-0.66ev,45mm

HDR F14 、ISO800,1/400Sec、-0.66ev、45mm

さら、撮影してから再生して、驚いたのは、HDR風フィルターモードの画像もRAWで保存されていたことです。HDR風のRAW画像は、iA+のRAW画像と比べると、ISOが違うだけで、他には、違いがないようにも思われます。

ともかく、トーンイコライザーHDR風に仕上げることで、2枚のRAWを現像した結果が、写真1と写真2です。

HDR風のRAW画像は各段の意味がないと思います。LX-100のように、RAWで撮影したつもりがJpegになっているのは怖いですが、逆に、RAWのHDR風画像という意味不明な画像も困りものと思います。おそらく、設計者は、RAWだけで、撮影する人間がいるとは思わなかったのかもしれません。

 

 

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写真1 インテリジェントオートモード

 

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写真2 ハイダイナミックフィルター