オリンパスの25㎜F1.8のレンズの特性

最近では、レンズの評価をするときに、解像度が高いことがハイスコアにつながります。

逆にいえば、解像度の低いレンズは製品化しにくくなります。それでは、解像度の高いレンズが良いレンズかといえば、そうとは限らないと思います。

オリンパスの25㎜F1.8のレンズは、ともかく、柔らかく写ることを目的に開発されています。オリンパスにはこの上に25㎜F1.2のProレンズがあり、価格も違いますが、ボケもけた違いによいと思われます。ただし、Proレンズは価格だけでなく、サイズも大きいので、気楽に使うわけにはいきません。25㎜F1.8のレンズはボケは小さいですが、柔らかく写る点では申し分ありません。

今回は、厳密な比較にはなりませんが、25㎜F1.8のレンズの特性を見てみます。

比較のために、1.の25㎜F1.8以外に、2.、3.の機材を取り上げます。

  1. オリンパスA PL-6 F4.5 1/800sec 25mm ISO 200 (25mmF1.8)

  2. キャノン  Eos_M3 F7.1 1/320sec 22mm ISO100 (11-22mm F4-5.6)

  3. オリンパスB EM1 mkII F8.0 1/400sec 26mm ISO200 (12-40mmf2.8)

写真1が機材1.の写真です。

写真2は後で、説明します。

写真3は、機材2.の写真です。

写真4が、機材3.の写真です。

以上の写真の等倍の画像が、写真5,7,8です。

これらの写真は、darktableでシーン参照ワークフローで、RAWを読み込んだ後、レンズ補正をかけて、露光を調整しています。露光を補正する理由は、筆者は、通常、白飛びをしないために、-0.7EV の露光で撮影しているためです。

3枚の中では、写真3のキャノンがくっきりしていますが、硬い表現です。写真4は、よく見たら、ピントが左上の葉にあっていて、遠景のピントがボケています。いま、気づきました。写真8と写真4を見比べると、写真8の解像度が低いのはピントの問題と思われます。

写真1は、F値も他の写真よりは小さいですが、ともかく柔らかい表現になっています。

等倍の写真5と写真7を比べると、オリンパスに解像感がないのは当たり前にしても、キャノンも全体画像で見るほどは解像していません。

写真2と写真6はdarktableの画像処理で、解像感を強くしたものです。写真1と写真2を比べると、写真2が硬く感じられます。

つまり、言いたいことは、次です。

解像感の低い写真の解像感をあげることは、darktableでかなり可能である。

一方、逆に、硬い感じの写真を不自然に感じられない範囲で柔らかくすることは難しいと思います。

このことを考えると、巷では、評価されませんが、柔らかいレンズも利用価値も高いと思われます。

もちろん、柔らかいレンズの持ち味は、ポートレート向けであって、一般には、風景写真にはむいていないと思われています。ただし、色と解像度の相互作用を考えれば、柔らかい風景写真もありうる気がしています。

F8まで絞ると、色乗りが悪くなることが多いです。モノクロでは問題になりませんが、カラーでは、トレードオフになると思われます。

 

f:id:computer_philosopher:20201117204617j:plain

写真1 オリンパスA

 

f:id:computer_philosopher:20201117204657j:plain

写真2 オリンパスA(コントラスト改善)

 

f:id:computer_philosopher:20201117204747j:plain

写真3 キャノン

 

f:id:computer_philosopher:20201117204810j:plain

写真4 オリンパスB

 

f:id:computer_philosopher:20201117204833j:plain

写真5 等倍:オリンパスA

f:id:computer_philosopher:20201117204909j:plain

写真6 等倍:オリンパスA(コントラスト改善)

 

f:id:computer_philosopher:20201117204944j:plain

写真7 等倍:キャノン

 

f:id:computer_philosopher:20201117205010j:plain

写真8 等倍:オリンパスB