Go Toイートと第3波の関係の検証~コロナウィルスのデータサイエンス(154)

Go Toイートと第3波の関係の検証

前回は、第3波の原因を介入を使って調べる方法を説明しました。

今回は、その方法を11月15日のNHKのサイトのデータで検証してみます。

11月15日の「直近1週間の人口10万人あたりの感染者数」の上位10県は以下です。

  1. 北海道

  2. 大阪府

  3. 東京都

  4. 沖縄県

  5. 愛知県

  6. 神奈川県

  7. 奈良県

  8. 兵庫県

  9. 埼玉県

  10. 千葉県

これらの県の第3波の増加の始まりの日付を目視でみた結果が以下です。ここでは、介入を手法にしていますので、例えば、北海道のように長期的にゆっくり増加傾向が続いている場合には、増加率が大きく変化した日を「第3波の増加の始まり」として読み取ります。増加していない傾向から、一転して増加する場合には、「第3波の増加の始まり」の判定は容易ですが、それ以外の場合には、トレンドが変わった日付を探します。

次に、全ての都道府県で短期間に感染者数の急激な増加がみられる第3波が確認できている訳ではありません。上位10県は、「人口10万人あたりの感染者数」で選別していますので、1週間以上前から、「人口10万人あたりの感染者数」が多い場合には、感染者数の指数的な増加はみられません。この場合には、第3波が確認されたとはいえません。典型的な例は沖縄県ですが、神奈川県、奈良県、千葉県も増加は見られますが、増加率は緩やかで指数的ではありません。10位以内にはなっていませんが、岡山県のように10月21日頃に増加が始まり、その後で、減少に転じた例もあります。

さて、以下に、目視で読んだ「第3波の増加の始まり」を示します。

増加が急激な第3波が明確にみられる県は、10月21日頃が、「第3波の増加の始まり」になっていますので、Go Toイートが第3波の開始にの主な要因であるという仮説は概ね正しいと考えています。

実は、介入による解析は、「第3波の増加の始まり」の変曲点のところだけで有効で、その後時間がたてばたつほど、他の因子の影響が大きくなってきますので、判断は出来なくなります。つまり、岡山県のような事例は、介入があったと判断できることになります。感染が広がれば、当然対策をします。その結果、対策がうまくいけば、増加率はさがります。しかし、そのことは、Go Toのように、10月1日の週に起こった介入が第3波の開始の主たる要因であることを否定するデータにはならないわけです。

 

  1. 北海道 10月21日

  2. 大阪府 10月21日

  3. 東京都  10月21日

  4. 沖縄県 (増加無し)

  5. 愛知県 10月21日

  6. 神奈川県 11月4日 (増加緩やか)

  7. 奈良県 10月29日  (増加緩やか)

  8. 兵庫県 10月22日

  9. 埼玉県 10月21日

  10. 千葉県 11月4日 (増加緩やか)

 

  • NHK特設サイト

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/