日本のコロナGDPとアップルの資産評価

歴史は誰が作るか

歴史観を振りかえります。

  1. 坂の上の雲」に司馬遼太郎歴史観は、英雄が頑張ったから、歴史が進んだという視点です。現在の塩野七生歴史観も個人が歴史を作るという視点では共通しています。読んで面白いのは「頑張れば」ー>「成功する」、「さぼれば」ー>「失敗する」という視点で書かれた歴史小説になります。

  2. カーネマンのように、失敗と成功はある平均確率のもとに、ばらつくので、「成功」のあとには「失敗」がくる、「失敗」のあとには「成功」が来る。これは正規分布の特徴であるという視点に立てる人は少ないと思われます。少なくとも、この視点で書かれた歴史小説が売れるとは思われません。

  3. これはマルクス主義が広めた視点ですが、歴史は個人の努力と関係なく、社会経済パラメータで決まるという視点があります。

1.か3.かという議論は、問題を、排他関係に持ち込んでいるので意味がありません。1.と3.は次のように能力発揮関数fgで包含関係に一般化できます。

f1=能力を発揮できるポストの実現度(これは社会経済パラメータにも従属します)

f3=与えられたポストで個人が発揮する能力の大きさ

fg=f1×f3

f1は会社で言えば、CEOが能力を発揮できるように、組織マネジメントがまともであることです。

f3はCEOが有能なことです。

これらは時間tの関数なので、正確には

fg(t)=f1(t)×f3(t)

です。

CEOが組織改革を進めていけば、f1の値は向上します。組織が硬直化すれば、f1の値は低下します。従って、絶対にダメな会社は存在しないのですが、f1の値の変化は、一旦倒産させて、新会社でやり直すといった荒療治をしなければ緩やかになります(注1)。つまり、よくすることが比較的容易な会社と困難な会社の違いはあります。

さて、アップルの評価額が高くなりました。

ジョブズが存命のころは、アップルという会社は、ジョブズの個人的な突出した新製品を作り出す能力でもっていると主張する人もいました。つまり、f3の寄与が突出しているという解釈です。

しかし、CEOが変わっても、好調を維持してますので、今のCEOが優秀なこともありますが、f3の寄与は心配した程大きくなくf1の寄与も大きかったと考えられます。

さて、日本のGDPが非常に落ち込んでいることがわかりました。

立ちなおるには、f1とf3の双方を改善する必要があります。

年功序列は、最初からf1は変えないといっているに等しいので、検討対象外になります。

今回は、ビジネスルールが変わるので、f1が大きな焦点になると思われます。

リモートワークスもこの一部です。

ただし、パーフォーマンスを決めるのはfgです。

f2については、統計処理が必須になりますが、長くなるのでここでは、説明しません。

注1:大企業が成功しないで、どうしてベンチャーが成功するのかは、f1で説明できると思われます。