画像をくっきりさせる
風景写真の基本は、ひたすらくっきりさせることといわれます。フルサイズでF11、ASP-CでF8が回析の影響が出ない一番大きな絞りの値なので、絞り優先でこの辺りまで絞って撮影することが基本になります。ただし、最近の解像度の高いレンズでは、ここまで絞らなくでも十分な場合も多いと思います。筆者は、色乗りは、光量が多い方が良いことも多いので、プログラムモードで、そこまで絞らない撮影もありだと考えています。ただし、晴天で、プログラムモードで撮影すると、ひたすら絞りの値があがるカメラもあるので、絞りすぎには注意が必要です。
絵画の世界では空気遠近法を使うことが多く、これは遠くにあるものはより厚い空気の層を通ってくるので、近くのものよりボケて見えることをいいます。人間の目は、遠景、中景を見るときに補正をかけてしまうので、意図して、ボケの具合を調整した方がよいとい理論です。カメラの場合には、空気の厚さは画像に自動的に反映されます。人間の目のように補正が働きません。ですから、撮影時にことさら工夫する必要はありません。しかし、明け方の山の写真など、光線の弱い場合に、ことさら、空気遠近効果を使った写真もあります。また、編集時に遠景の解像度を上げないようには注意すべきです。
さた、今回は、画像編集でクッキリさせる方法の検討です。
以下の写真は全て、左が元の画像で、右がアオリ補正をした画像です。
最初に手の内を一覧します。解像度を上げる際に有効と思われるモジュールを検討しています。
写真1が、コントラストイコライザを使っています。
写真2が、シャープネスを使っています。
写真3が、ハイパスフィルターを使っています。
写真4が、ローカルコントラストを使っています。
効果が高いのは写真1のコントラストイコライザーと写真4のローカルコントラストです。ローカルコントラストではデティールのコントラストをあげています。ローカルコントラストの場合には、細部はクッキリするのですが、画像の大きく変化しますので、通常はコントラストイコライザで処理し、それでも不足の時に、ローカルコントラストを使えばよいと考えています。
なお、パラメータは適宜です。パラメータを変えるともちろん画像も変化しますが、変化させてみた結果、写真1から4の序列が変化するまでの差はつかないと思いました。
パラメータについては、今後、各モジュールについて、細かく検討する場があればそこで扱います。