HRアナリティクスと教育(2)

4)Microsoftの戦略

 

Microsoftは、WindowsのOSとOfficeのアプリから、Office365のクラウドサービスに切り替えて、成功しました。

 

Officeの拡張機能と新規アプリのDynamics 365データの共有を簡易化することで、他のソフトメーカーとの差別化を図るビジネスモデルを展開しています。

 

2016年11月1日にリリースが開始されたDynamics 365は、世界中の様々な規模や業種の企業に導入されています。

 

2019年6月時点で、Dynamics 365は約196か国22万社に導入され、日本では、三菱地所住友不動産、森ビル、大東建託、日立などが導入しています。

 

Microsoft Dynamics 365には15以上のアプリケーションが含まれています。

 

Dynamics 365 Sales  – 営業リーダー、営業オペレーション

Dynamics 365 Customer data platform - 顧客インサイト

Dynamics 365 Customer data platform  - 顧客の声

Dynamics 365 Customer Service – カスタマー サービス リーダー、カスタマー サービス オペレーション

Dynamics 365 Field Service  – フィールド サービス リーダー、フィールド サービス オペレーション

Dynamics 365 Remote Assist

Dynamics 365 Human Resources – 人材の獲得、オンボーディング、コア HR

Dynamics 365 Finance & Operations  – 財務リーダー、運用リーダー

Dynamics 365 Supply Chain Management – 計画、生産、在庫、倉庫、輸送を合理化します。

Dynamics 365 Intelligent Order Management

Dynamics 365 Commerce

Dynamics 365 Project Operations

Dynamics 365 Marketing - Adob​​e Marketing Cloud、Dynamics 365 for Marketing

Dynamics 365 Artificial Intelligence – 営業向け AI、顧客サービス向け AI、市場分析向け AI

Dynamics 365 Mixed Reality – リモート アシスト、レイアウト、ガイド

Dynamics 365 Business Central  – 中小企業向け ERP





このうち、Dynamics 365 Human Resourcesが、 HRアナリティクスに相当します。

 

日本語の説明が以下にあります。

 

<< 引用文献

Human Resources の概要

https://learn.microsoft.com/ja-jp/dynamics365/fin-ops-core/fin-ops/hr/hr-landing-page

>>

 

概要の一部を引用します。

人事管理は、多くの日常的な記録タスクを合理化し、組織の多数のスタッフ配置に関連するプロセスを自動化します。 また、人事スタッフが監督すべき領域を管理するためのフレームワークも提供します。 これらの領域には、従業員の採用およびつなぎ留め、給付金管理、トレーニング、勤務評価、変更管理が含まれます。

 

人材戦略の作成

 

人事管理の仕事では、部門、職務、職位などの要素を使用して、組織の構造を設計する必要があります。 これらの要素は、人事管理において構成する基本要素に含まれます。 個々の従業員は、職務に関連付けられている職位に割り当てられます。

 

    部門、ジョブ、および職位を使用した従業員の編成

    会社固有の人事管理 (HR) パラメータの設定

    法人全体にわたる人事管理 (HR) パラメータの設定

 

従業員の募集、雇用、および動機付け

 

採用プロジェクトでは、空いている職位の広告に使用するコンテンツの管理や、空いているジョブへの応募を管理します。 これらを使用して、特定の採用プロジェクトの人材募集に対する反応、または特定の申請者を追跡し、オープンな職位の状態を更新します。 また、個別の応募者の雇用や、季節的なビジネス ニーズに合わせて複数の作業者の雇用を行うような大量雇用プロジェクトの管理ができます。

 

    採用プロセスの管理

    大量雇用プロジェクト

 

スタッフを雇用した後、計画を作成して効率良く公平に報酬を管理し、組織が従業員に貸与するコンピューターや電話などの品目を管理します。 固定報酬と変動報酬の計画を作成でき、また、その計画の基準に適合する報酬プランを適用するルールを定義できます。

 

    報酬プラン

    固定報酬プランの作成

    変動報酬プランの作成

 

従業員の開発とトレーニン

 

重要なビジネスニーズを提供しながら、従業員のキャリア目標を達成するために、目標を設定し、パフォーマンスレビューを作成し、フィードバックを追跡することができます。 従業員が必要なスキルを身につけるため、講師をコースに割り当てたり誰かをコースに登録する前に、講師、コースのタイプ、コースの説明、議事録、追跡、およびセッションを設定することもできます。 講師は、作業者、申請者、または連絡先として既に存在する必要があります。

 

パフォーマンス管理

位置を合わせるニーズにスキル従業員に関する情報

レーニング コースの設定

 

Microsoft Dynamics 365 Salesに対応したCopilot for Salesを、Microsoft が2024年2月に販売開始しています。

 

恐らく、Dynamics 365 Human Resourcesに対応したCopilotも、近日中に販売されると思われます。

 

その時点で、人事管理は、AIの領域になります。

 

 Microsoft Dynamics 365を採用している日本企業も多くありますが、Dynamics 365 Human Resourcesは、ジョブ型雇用でないと使えません。

 

日本の大企業で、ジョブ型雇用への対応が最も進んでいるのは、日立です。日立は、Dynamics 365 Human Resourcesを使っている可能性があります。

 

5)2030年の雇用

 

ここで、何が起こっているかを理解する必要があります。

 

囲碁の例をあげます。

 

Aさんが、囲碁の入門書を読んで、碁会所にいって、対戦をして、腕をあげたとします。

 

Bさんは、囲碁のトレーニングは全くせずに、アルファ碁が使えるスマホアプリを入手したとします。

 

AさんとBさんが対戦すれば、勝者は、Bさんになります。

 

同じことが、HRアナリティクスでも起きます。

 

日本人のAさんは、日本の大学で、経営学を学んで、就職した企業で、人事管理のノウハウを活用しています。

 

アフリカのある途上国のBさんは、大学に行くことができませんでしたが、ある企業に就職して、人事管理を担当することになりました。Bさんは、人事管理のことはよくわからないので、機械学習によるHRアナリティクスを使うことにしました。

 

この2人の、人事管理のパフォーマンスを比較すれば、勝者は、Bさんになります。

 

つまり、日本の大学の経営学の人事管理の知識には、経済的な価値がないと言えます。

 

つまり、日本の大学の経営学科は、AI開発できる学科とAI開発ができない学科に2分され、後者は淘汰されるはずです。

 

2025年は、人材不足になると予想されるので、多くの企業は、初任給をあげる計画です。

 

しかし、採用される人材の多くは、5年から10年後には、AIに置きかえられる仕事につきます。

 

これは、5年から10年後には、企業は、業績の悪化を受けいれるか、解雇をするかの2者択一に追い込まれることを意味します。

 

政府をはじめとして、多くの年功型雇用の企業では、年功型雇用を維持するために、経済合理性のない膨大な努力を払ってきました。定年延長は、その例です。

 

この延命策は、企業の業績を悪化させます。つまり、経済合理性がないという企業の病気を悪化させます。

 

筆者は。経済バブルが崩壊する場合と同じように、2030年頃に、年功型雇用の雇用制度崩壊が起きると考えます。

 

これから5年で、HRアナリティクスには、各段の進歩が見込めます。

 

Dynamics 365 Human Resourcesには、Copilotが含まれていませんので、Copilotを付加すれば、性能の向上が見込めます。

 

2024年のCopilot自体も、改善の余地が多くあります。

 

恐らく、あと3年程度は、かなりの性能向上が見込めます。

 

プログラマーの立場に立てば、プログラマーは、複数のCopilotの改善案をもっています。

 

リソースの制限があるので、最初は、リターンの良さそうな案を採用して、モジュールを作ります。こうした新しい改善案の種が尽きると、進歩の速度は遅くなります。

 

機械学習の手法には、まだ、実装されていないアイデアがありますので、当面は、進歩が続くと思われます。

 

雇用が、ジョブ型雇用であれば、人間のジョブをAIが置き換えるプロセスは。連続的な変化になります。つまり、AIが社会に与える影響は、漸近的な変化になります。

 

雇用が、年功型雇用であれば、人間のジョブをAIが置き換えるプロセスは。不連続な変化になります。つまり、AIが社会に与える影響は、カタストロフィーな変化(雇用崩壊)になります。

 

経済のバブルが崩壊する前にも、いくつかの予兆があります。

雇用のカタストロフィーが発生する前にも、予想される予兆があります。

 

例えば、日本のITスキルは、先進国では最低レベルですが、これは、雇用崩壊の予兆であると考えることができます。

 

企業の人事担当者のスキルは、伝統的な教科書の知識より、機械学習のHRアナリスティックが上です。

 

したがって、経済合理性に基づけば、伝統的な教科書の知識を持つ人事担当者をクビにして、機械学習のHRアナリスティックができる人事担当者を雇用します。

 

こうすれば、企業のITスキルはあがります。

 

日本のITスキルが低い原因は、機械学習のHRアナリスティックができる人事担当者を雇用せずに、伝統的な教科書の知識を持つ人事担当者を雇用し続けていることに対応しています。