禁断の思考法

(何が、考えられるかに注目すれは、将来が見えます)

 

1)2種類の思考法

 

問題がある場合、問題を解決する方法を考えるのが、正攻法です。

 

これに対して、問題の解決は、脇において、相手の出方を考える方法が、禁断の思考法です。

 

ポーカーの思考法は、基本的には、相手の出方を考える方法です。

 

この思考に陥ると問題は、ゼロサムゲームになります。

 

ジョージ・ソロス氏は、1992年にポンドの空売りで利益をあげました。

 

2013年、アベノミクス量的緩和政策による円安相場で、ソロス氏は10億ドルの利益を得ました。また同年にクォンタム・ファンドは、55億ドルもの利益を上げました。これはヘッジファンド史上最高額です。 

 

2)政治刷新本部



自民党は、政治刷新本部をつくりました。

 

問題は、政治刷新本部は、2種類の思考法のどちらのモードを使っているかにあります。

 

今までの自民党の派閥は、有権者の出方を考える方法を使っています。

 

選挙で当選することが最優先課題であり、少子化、経済成長の問題を正攻法で検討することは、対象外でした。

 

ここで、対象外と書くと、言い過ぎという批判もあると思われます。

 

しかし、経済政策を組み立てるために、最低限の経済学がわかっている必要があります。

 

これは、大学で経済学を専攻する必要はありませんが、簡単な数学と経済学の基本的な考え方を理解している必要があります。

 

「新しい資本主義」の内容は、経済学で見れば、デタラメです。補助金をもらう経団連などの利害関係者は、「新しい資本主義」を持ち上げますが、見るに耐えません。

 

経済成長と配分(平等)の問題は、過去100年の経済学の大きなテーマであり、優秀な経済学者が挑戦してきたテーマです。100点の解決法はありませんが、70点位のレベルであれば、白黒がついている問題です。

 

第1に、「新しい資本主義」は、経済成長の問題を正攻法で検討したが、能力不足で、あのような表現になったと善意の解釈をすることができます。



第2に、「新しい資本主義」は、問題解決の提案ではなく、有権者の出方を考えて作ったプロパガンダであるという解釈もできます。問題解決には、まったく関心がなく、パーティ券の寄付に対して、補助金のキャッシャバックを確実にして、次の選挙でも、当選して、利権を確実にすることが目的であったと解釈することもできます。

 

ここで、問題の解決は、脇において、相手の出方を考える方法が、禁断の思考法である理由を説明します。

 

第1の解釈と第2の解釈の間には一見すると違いがあるように見えますが、能力不足であれば、意図にかかわらず、相手の出方を考える方法だけが、選択可能になります。

 

つまり、問題解決の主体の能力が判定できれば、どちらの思考法になっているかを、判断できます。

 

3)一般的な能力

 

経済学では、微分方程式をつかいます。

 

数学の能力、基本的な因果モデルを扱う能力は、問題解決に必須です。

 

タレントが議員になる例も多くあります。

 

タレントに、基礎能力がないとはいいませんが、タレントとして成功するために、必須の能力は、視聴者の出方を考える方法です。つまり、タレントは、相手の出方を考える方法の能力が極めて高いことがわかります。

 

これは、日本の議員の問題に限りません。

 

トランプ前大統領は、相手の出方を考える能力(ディールの能力)が極めて高いです。

 

トランプ前大統領は政治は、ディールであるといいます。

 

これは、ポーカーと同じ発想なので、相手の出方を考える方法で、政治を進めていることがわかります。

 

トランプ前大統領は、日本の政治家とは異なり、有権者以外とも、ディールをしているので、まだマシかもしれません。