レンズの価格と性能(8)悪魔のレンズ

昔のカメラマンは、古いレンズで写真を撮影していたのだから、古いレンズでも、良い写真が撮れるはずであると書きました。

 

ただし、これには、断りが必要です。

 

昔のカメラマンは、ズームレンズは使っていません。

 

ズームレンズの性能は、電子補正を前提とした設計、レンズ設計のソフトの性能向上、特殊レンズの素材のコストダウンによって、劇的に向上しました。

 

ミラーレス以降、ズームレンズの性能が大きく改善しました。

 

古いズームレンズは、悪いレンズです。

 

CANONのLレンズですら、新旧のMTF曲線を比べれば、古いズームレンズの性能が良くないことは明白です。

 

古い性能の悪いズームレンズでありながら、その仕様を中止できないレンズは、悪魔のレンズと呼ばれます。

 

ミノルタAF Zoom 35-80mm F4-5.6は、そんなレンズのひとつです。

 

このレンズをお勧めするレビューは見つかりません。

 

このレンズのセールスポイントは、小型で自動焦点が効くという点です。

 

写りについて、ソフトフォーカスレンズのようだという評価もあります。

 

このレンズは、ミノルタα3700iという安価な一眼レフの標準レンズとして設計されたようです。このカメラ、プログラムオートしかないという入門機で、当時としては抜群に小さく軽異機種でした。

 

恐らく、サービス版か、L版でしか使わない前提で設計されたように思われます。

 

写真1は、ミノルタAF Zoom 35-80mm F4-5.6の望遠端の開放(80㎜F5.6)で撮影しています。

 

このように、どこが、解像しているのかわからない写真になっています。

 

写真2は、darktableで、目いっぱい加工しています。

 

写真3は、ボケ量のおおきなSAMYANGの85㎜F1.4での開放で撮影しています。

 

被写界深度が浅いので、前後の花はボケてしまっています。

 

とはいえ、焦点のあったところには、きっちりした解像度があります。

 

古いズームレンズは、使用を避けるべきです。

 

 

 

写真1 35-80mm F4-5.6

 

 

写真2 35-80mm F4-5.6

 

写真3 85㎜F1.4