昔のカメラマンは、古いレンズで写真を撮影していたのだから、古いレンズでも、良い写真が撮れるはずであると書きました。
ただし、これには、断りが必要です。
昔のカメラマンは、ズームレンズは使っていません。
ズームレンズの性能は、電子補正を前提とした設計、レンズ設計のソフトの性能向上、特殊レンズの素材のコストダウンによって、劇的に向上しました。
ミラーレス以降、ズームレンズの性能が大きく改善しました。
古いズームレンズは、悪いレンズです。
CANONのLレンズですら、新旧のMTF曲線を比べれば、古いズームレンズの性能が良くないことは明白です。
古い性能の悪いズームレンズでありながら、その仕様を中止できないレンズは、悪魔のレンズと呼ばれます。
ミノルタAF Zoom 35-80mm F4-5.6は、そんなレンズのひとつです。
このレンズをお勧めするレビューは見つかりません。
このレンズのセールスポイントは、小型で自動焦点が効くという点です。
写りについて、ソフトフォーカスレンズのようだという評価もあります。
このレンズは、ミノルタα3700iという安価な一眼レフの標準レンズとして設計されたようです。このカメラ、プログラムオートしかないという入門機で、当時としては抜群に小さく軽異機種でした。
恐らく、サービス版か、L版でしか使わない前提で設計されたように思われます。
写真1は、ミノルタAF Zoom 35-80mm F4-5.6の望遠端の開放(80㎜F5.6)で撮影しています。
このように、どこが、解像しているのかわからない写真になっています。
写真2は、darktableで、目いっぱい加工しています。
写真3は、ボケ量のおおきなSAMYANGの85㎜F1.4での開放で撮影しています。
被写界深度が浅いので、前後の花はボケてしまっています。
とはいえ、焦点のあったところには、きっちりした解像度があります。
古いズームレンズは、使用を避けるべきです。