マクロレンズは初心者が理解しにくい分野です。
マクロレンズは、クローズアップ撮影ができるレンズです。
しかし、マクロレンズという単語は、広角レンズ、望遠レンズと並ぶカテゴリーではありません。
マクロレンズには、広角のマクロレンズ(30㎜)、標準のマクロレンズ(50mm)、望遠のマクロレンズ(100㎜)があります。
画角が異なるので、30㎜のマクロレンズを100mmのマクロレンズの代わりにすることはできません。
つまり、本格的にマクロ撮影するのであれば、広角、標準、望遠の3本のマクロが必要になります。
ミラーレスカメラをレンズキットで購入する場合、便利ズームであれば、標準から望遠(24㎜から200㎜)をカーバーしています。ダブルズームであれば、標準ズームと望遠ズームで24㎜から200㎜をカバーしています。
このあとで、レンズを追加するのであれば、標準画角50mmの単焦点レンズとマクロレンズになります。単焦点レンズを購入する理由は、ズームレンズより、解像度などの性能が高いためです。
普通の単焦点レンズを広角、標準、望遠でそろえて、さらに、マクロレンズで、広角、標準、望遠をそろえるのは、大変です。
いっそのこと、マクロレンズで、広角、標準、望遠をそろえ、普通のレンズを使わない組合せも考えられます。
しかし、そのようなレンズ構成を実施している人は、マクロレンズ向けの被写体にしか関心のない少数の人だけだと思います。
理由は、無限遠の画質に問題があること、レンズの種類が少なく、選べないためと思います。
マクロレンズには、ズームレンズはありません。
例外は次になります。
SONY FE 70-200mm F4 Macro G OSS II 1/2倍
2倍のテレコンバーター可能
LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S. S-R70300 1/2倍
TAMRON 16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO (Model B016) 1/2.9倍
MACROと名前がついていますが、0.5倍なので、ハーフマクロになります。
FE 70-200mm F4 は、2倍のテレコンバーターで等倍になります。
ズームレンズの1/2倍は、テレ端の場合と思われます。
最近のマクロレンズは性能が良いという記事は、沢山ありますので、ここでは、歴史的な視点で、レンズに必要な性能を考えてみます。
マクロレンズのユーザーには、科学者のように、カメラマンではなく、記録を残すために撮影をする人がいます。
CANONのEF50mm F2.5 コンパクトマクロは、1987年発売の古いレンズで、円形絞りでもありません。接写性能も、画面の平滑性や周辺部の解像度もあまり高くありません。AFもジージーうるさいです。
MTF曲線は、以下にありますが、最近のレンズに比べると見劣りします。
https://www.microglobe.co.uk/canon-ef-50mm-f25-af-macro-lens-p-1046.html
発売時価格は、38,300円でした。専用のライフサイズコンバーターEF(26,400円)をつけると等倍になります。
このレンズがは、1987年発売開始のEOSシリーズの中では、13番目に発売された古参レンズで、1987年から2015年まで28年間販売されました。
EFマウントの基本のマクロレンズであるEF100mm F2.8L マクロ IS USM89(2009年発売、12万円)と比べれば、EF50mm F2.5 コンパクトマクロは全く問題にならない低性能ですが、普段の撮影には、大きな問題はありません。