1)DMC-G1の時代
MFTは、2008年に、パナソニックが初めて、LUMIX DMC-G1というカメラで採用したミラーレスの規格です。
センサーサイズをフルサイズより小さくしました。
規格の本質はこれだけです。
以下に、最初の頃のレンズのラインアップを示します。
MFTのカメラとレンズを作る場合、フルサイズにはない選択肢があります。
それは、レンズのサイズをえらべるということです。
フルサイズセンサーであれば、画質のよい単焦点レンズ、大きくて重く高価がズームレンズしか実用になりませんでした。小さくて良く写るズームレンズを実現するポイントは、次の3点です。
(1)特殊レンズを投入して、コンピュータで設計する。
(2)デジタル補正を減速とする。
(3)クロップセンサーを使う。
この3点は、MFTだけでなく、APS-Cにも当てはまります。
Fujifilmはこの点熟知していて、Xマウントの当初は、単焦点レンズに集中しています。
2008年に、パナソニックが、DMC-G1を出した時には、パナソニックは、より大型で性能の良いレンズと、より小型で性能の低いレンズも比較検討したはずです。
より小型で性能の低いレンズには、価格競争力があります。
2008年の時点でのパナソニックの最適解が、DMC-G1とレンズ群でした。
2023年の時点で、MFTの存在価値があるかという問いは、15年経過して、パナソニックの最適解が変化したという問いに置き換えられるべきです。
2009年のカメラとレンズ群は以下です。
(1)カメラ本体
幅 124×高さ 約83.6×奥行 約45.2mm、約385g
市場想定価格は80,000円前後
(2)標準ズーム
LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S
60mm×60mm、195g
メーカー希望小売価格(税別):¥35,000
(3)望遠ズーム
LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S
70mm×100mm 380g
メーカー希望小売価格(税別):¥47,000
(3)便利ズーム
LUMIX G VARIO HD 14-140mm / F4.0-5.8 ASPH. / MEGA O.I.S.
70mmx84mm 460g
メーカー希望小売価格(税別):¥101,000
(4)広角ズーム
LUMIX G VARIO 7-14mm / F4.0 ASPH
70mmx83.1mm 重量:300g
メーカー希望小売価格(税別):¥119,000
まとめると以下になります。
標準ズーム 60mm×60mm 200g ¥35,000
望遠ズーム 70mm×100mm 400g ¥47,000
広角ズーム 70mmx80mm 300g ¥120,000
便利ズーム 70mmx84mm 460g ¥100,000
この中では、便利ズームが、大きく重くなりますが、これは、すぐに、モデルチェンジされています。
LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6Ⅱ ASPH. / POWER O.I.S.
2019年 5月下旬 発売
67mm×75mm 265g
メーカー希望小売価格(税別):¥95,000
これに入れ替えると、MFTのスタンダードは以下です。
標準ズーム 60mm×60mm、200g ¥35,000
望遠ズーム 70mm×100mm 400g ¥47,000
広角ズーム 70mmx80mm 300g ¥120,000
便利ズーム 67mm×75mm 265g ¥100,000
要するに、¥35,000+¥47,000で、28-400mmのレンズがそろって、撮影ができる。
2本レンズの重さを合わせても、600gでした。
¥35,000+¥47,000は、定価ですから、キットレンズで購入すれは。半額近い価格で入手できたと思われます。
この2本のレンズは、フルサイズセンサーのF2.8 通しや、F4.0通しのズームレンズに比べれば、ボケ量は減りますが、レンズの周囲をトリミングしているので、レンズの性能は、あまり変わりません。
望遠ズームは、2022年に、II型が製造中止なるまで、同じ光学特性で製造されました。
広角ズームは、現在も現役です。
便利ズームも、改良型が、現役です。
標準ズームについては、次回に説明します。