MFTの25mmのレンズについて考えてみます。
レンズの評価は、ネットで見られます。
あえて、評価を追加する理由は次の点です。
(1)Jpegでなく、RAWを中心に考えたい。
(2)サイズが大きいレンズは、F値が大きくなり、高価になります。
しかし、携帯性が犠牲になります。フルサイズセンサーに比べると、MFTのボケ量はちいさいので、MFTの大きなレンズを購入するのであれば、フルサイズのレンズを購入するべきです。現在のところ、シグマ製のフルサイズのレンズであれば、MFTと価格はほとんどかわりません。
(3)中央の解像度は必須です。一方周辺の解像度は、通常は問題になりません。周辺の解像度を上げるために、レンズが大型化したり、高価になるのは、不合理です。
(4)これは最大の疑問ですが、ボケの質は重要ではないと考えます。
ボケの質は、画像処理で変えられます。
ボケの質のために、レンズ枚数を増やすと、レンズは、大型化し、暗くなり、高価になります。
最近の中華レンズには、恐ろしく小型で安価で、明るいレンズがあります。今のところ、マニュアルフォーカスなので、あまり、売れませんが、オートフォーカスに対応してくれば、国産レンズは、シグマなどのサイドパーティを除いて、生きのこらない可能性があります。すくなくとも、韓国のSAMYANG の一部のレンズの評価は、日本製を越えています。
という訳で、今回は、MTFを並べ考えます。出典は、メーカーのHPなので、省略します。
価格の高い順に並べると以下です。
(1)M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO 14群19枚(スーパーEDレンズ 1枚、EDレンズ 2枚、E-HRレンズ 1枚、HRレンズ 3枚、非球面レンズ 1枚)
(2)LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II 7群9枚(非球面レンズ2枚/超高屈折率UHRレンズ1枚)
(3)M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 7群9枚(非球面レンズ2枚)
(4)Lumix G 25mmF1.7 7群8枚(非球面レンズ:2枚、超高屈折率UHRレンズ:1枚)
(5)TTArtisan 25mm f/2 5群7枚
(6)7artisans 25mm F1.8 9群11枚
MTFをみれば、一番よいのは、(4)です。
パナソニックのレンズには、MTFが40%を切らないという不文律があります。
MTFが劣化するのは、周辺に近づいた場合です。
(2)は、(4)より、解像度が悪いです。
もちろん、これは、F1.4なので、(1)と同じように、F1.7まで絞れば、解像度があがる可能性があります。
「とるなら 写真道楽道中記 」では、中央の解像度は、F1.4で2845本、F1.7で、3097本です。なので、同じレベルの解像度と思われます。
このレンズは、解像度より、色のり重視です。コントラストが強く、主題が浮き上がります。これは、Jpegでは優位ですが、RAW編集であれば、話は違ってきます。
(1)は高価ですが、ボケ重視です。20本のMTFは解像度重視ですが、60本のMTFは、ボケ重視で、あえて下げています。
F1.7の解像度でみれば、(1)(2)(4)には差がないと思われます。
(3)は、10本の解像度は、(1)(2)(4)に比べて、気持ち低いですが、見てわかる差ではないと思われます。
(3)は、レンズの周辺にいくにしたがって、MTFでは、緩やかに解像度が落ちる設計になっています。
(1)から(4)で、「とるなら 写真道楽道中記 」は、(4)が、特徴がなく、一番つまらないといいます。
(4)は、UHRレンズを使っていますが、(3)は、使っていないので、収差の点では、(4)が優れています。
(5)(6)はダブルガス構造で、特殊レンズは使っていません。10本の中央部だけのMFTはこれが、良く見えます。周辺に行くにしたがって、MTFは劣化します。
図5と図6は同じに見えます。MTFの精度はあてにならないと思われます。
中華レンズの問題は、個体差が大きいことです。韓国のSAMYANGはかなり改善されたそうですが、中華レンズには、この問題が大きいです。
ちなみに、ニコンは、キットレンズでも、出荷前に、1つずつ、性能検査をしているそうです。
このレンズは、APS-C用です。MFTでは、11㎜以降は使われませんので、MTFが劣化する部分は影響しません。
(5)(6)は、すぐには、脅威にはなりませんが、韓国のSAMYANGと同じように、品質のばらつきが改善され、AFになれば、競争相手になり得ます。
まとめ:
MTFが一番まともな、(4)の評価が低い点は気になります。
その理由は、現在は、レンズの個性として楽しんでいる特性が、画像編集で、代替される可能性があるからです。LUTは、色についての1つの方向ですが、ボケやvignetteにについても、LUTと同じように、標準化が進む可能性があります。
たとえば、色合いであれば、同じ条件で、(2)と(4)を使って撮影した画像のデータから、LUTを作ることは現在でも可能です。
フィルム・シミュレーションのLUTが可能であれば、レンズ・シミュレーションも可能と考えます。