LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 の性能を調べていて、意外に思った点がありますので、メモしておきます。
最近のレンズの解像度は、3000本はクリアするとばかり思っていましたが、広角レンズの周辺は、難しいことがわかりました。
「とるなら写真道楽道中記 LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. 徹底レビュー 完全版」に、SUMMILUX 9mm/F1.7、LAOWA 10mmF2、LEICA SUMMILUX 10-25mm/F1.7、OMDS 8-25mmF4 PROの解像度曲線がのっています。
この中で、周辺でも解像度が落ちないのは、LAOWA 10mmF2だけです。
これ以外に、競合するレンズには、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 とOMDS 7-14mm F2.8 PROがあります。この2本の解像度はわかりませんが、MTF曲線をみれば、LOWAには、及ばないと思います。
図1と図2に、SUMMILUX 9mm/F1.7とLAOWA 10mmF2のMTFを示しますが、LAOWAは、周辺でも、解像度の劣化が少ないです。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 とOMDS 7-14mm F2.8 PROのMTF曲線は、SUMMILUX 9mm/F1.7のMTF曲線と同じパターンで、周辺に行くにしたがって、解像度が落ちます。
なので、周辺の解像度については、LAOWA 10mmF2に勝てないはずです。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 、OMDS 7-14mm F2.8 PRO、LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7、LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7は、MFTの広角レンズとしては、最も高価で、高性能ですが、LAOWAにはかないません。
LAOWAは、2013年に起業ししたVenus Optics(ヴィーナス オプティクス、中国語:安徽長庚光学)の製品です。日本での発売は、2016年からです。
図3に、参考までに、FE-Mマウントの広角ズームEF-M11-22mm F4-5.6 IS STMのMTF曲線ものせておきます。
このレンズも、広角にしては、周辺部の解像度劣化が少なくなっています。
EF-M11-22mmは評価の高いレンズですが、MTF曲線は優秀です。
周辺の解像度劣化は、MTF曲線である程度は、判断できます。
LAOWA 10mmF2も7万円して、中華レンズとはいえ安いレンズではありません。
実売価格は、LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 の方が安いです。
とはいえ、LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7は20万円くらいしますので、ちょっとがっかりな性能に見えてしまいます。
周辺の解像度は、主題には、影響しませんので、星空などを除き、実害はありませんが、日本のメーカーのレンズが、LAOWAに勝てていないことは事実です。