darktableの色収差補正の留意事項(2)

Ohnishi, Yasuoshi(yasuo-ssi)氏のサイトでは、ニコンのD5500を使って、RAW現像における色収差の比較をしています。

そこでは、darktableの色収差の性能は低く、ニコン純正のNX Studioの方が、色収差の性能が高い書かれています。

筆者は、現在は、MTFとEF-Mマウントを使い分けています。

以前には、ニコンのDX(D5300)、更に、その前には、PentaxのKマウントを使っていました。

ニコンAPS-Cのカメラ内レンズ補正は次のようになっています。

 

表1 ニコンAPS-Cのカメラ内レンズ補正

 

Z50     D5600       D5500/D5300

 

周辺減光   周辺減光

色収差     色収差

歪曲収差   歪曲収差      歪曲収差

回折補正

 

写真1は、D5300に、55-300㎜のキットレンズをつけて、300㎜F5.6で撮影しています。丸ボケの回りに派手に、色収差が出ています。

 

D5300には、色収差の補正機能はありません。

 

写真2は、Pentax K-5に、55-200mmのキットレンズをつけて、200mmF5.6で撮影しています。Kー5の色収差の補正をONにしていますが、丸ボケの回りに派手に、色収差が出ています。色収差の補正の効果は小さいです。

 

写真3は、パナソニックのG-9に、オリンパスの75-300mmをつけて、300mmF6.7で撮影しています。パナソニックは、レンズ補正をONで使うことを前提にカメラとレンズを設計していますので、その設定を踏襲しています。丸ボケの回りには、色収差は見られません。

 

写真4では、写真3と写真1の拡大部分を比較(左:ニコン、右:オリンパス)しています。

 

どのレンズテストの記事でも、レンズの色収差はよく補正され、あまり問題にならないレベルと書かれていることが多いですが、写真4で見る限り、差は大きいです。

 

これは、補正後の結果ですので、レンズ性能というより、設計思想の問題だと考えます。

 

写真5では、darktableの色収差補正を使っています。左の使っていない場合に、比べ、右の使っている場合の方が、若干改善しています。

 

まとめると、RAW画像データレベルで、色収差が補正されていれば、darktableの色収差の能力が低くとも問題は起こりません。

 

RAW画像レベルで、色収差が補正されていなければ、色収差の問題が起こります。

 

ただし、サンプルの画像の場合、NX studioでも、色収差はなくなりませんでした。

 

色収差の補正は、モノクロ画像からのRGBのズレをみるので、比較的単純なアルゴリズムで解消できると考えます。

 

色収差は、カメラ内のデジタル補正を活用すべきと考えます。デジタル補正ができれば、ボケを無視すれば、高価で重くなるFDレンズは不要になります。

 

 

 

写真1

 

 

写真2

 

 

写真3

 

 

写真4

 

写真5